Mary J. Blige (メアリー・J. ブライジ)は、1990年代初頭にUptown Recordsのバックボーカリストとしてキャリアをスタートさせ、1992年のデビューアルバム「What’s the 411?」は、自身初の全米チャートトップ10入りするヒットとなりました。
その後の彼女のアルバムはすべて全米アルバムチャートトップ10入りを果たし、そのうち8枚は世界中で数百万枚のセールスを記録しています。
「ヒップホップソウルの女王」「R&Bの女王」と絶賛され、音楽メディア誌ローリングストーンによる「史上最高の歌手100人」の1人にも選出されています。
今回は、そんな彼女の2001年に発表したシングル「No More Drama」をピックアップ。
2022年に行われたスーパーボウルハーフタイムショーで、彼女はこの曲を歌い、大きく注目を集めました。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Mary J. Blige – No More Drama (2001)
楽曲情報
Mary J. Blige (メアリー・J. ブライジ)
出身地 :ニューヨーク、ヨンカーズ
生年月日:1971年1月11日
ジャンル:R&B
レーベル
MCA Records
プロデューサー
Jimmy Jam & Terry Lewis
元ネタ・サンプリング
Barry De Vorzon & Perry Botkin, Jr. – Nadia’s Theme (The Young and the Restless) (1973)
“No More Drama” 元ネタ・サンプリング
Barry De Vorzon & Perry Botkin, Jr. – Nadia’s Theme (The Young and the Restless) (1973)
元ネタになったのは、ニューヨーク出身のシンガー兼プロデューサーのBarry De Vorzon (バリー・デ・ヴォーゾン)の「Nadia’s Theme (The Young and the Restless)」(1973)です。
彼は1970年代から1980年代にかけて多くの映画のサウンドトラックを作曲しており、この曲も元々は1971年の映画「Bless the Beasts and Children」のサウンドトラックとして使用されていましたが、1973年に始まったテレビドラマ「The Young and the Restless」のテーマ曲として知られています。
その後、1976年にA&M Recordsからシングルとしてリリースされ、全米チャート8位を記録、1977年にはグラミー賞の「最優秀インストゥルメンタルアレンジメント賞」を受賞しています。
終わりに
「No More Drama」を手掛けたJimmy Jamは、この曲について次のように明かしています。
俺たちの曲の95%は、アーティストが望む曲を想定して作っているんだけど、これをメアリーに聞かせるためにニューヨークへ行ったんだ。 歌詞は基本的には全部できていたんだけど、彼女に好きなように仕上げてもらうつもりだったんだ。 彼女は聴き終わると、俺たちを見て言ったんだ。 「ワオ!あなたたちは私立探偵と一緒に私を追いかけ回していたのね?」と言ったんだ。 「あなたたちの曲に釘付けになったわ。一言一句変える気はない」とね。
Jimmy Jamのプロデュース力に驚き、Mary J. Bligeは虜になったようですね。
また彼女はこの曲が大好きで、タイトル曲にしようと思っていることも明かしています。
誤解しないでほしいんだけど、私はこの曲が本当に好きなの。 でもこのアルバムのためじゃない。 この曲は、私の人生にはドラマがないと言っているのであって、今でも私の人生にはドラマがあるのよ。 でも次のアルバムではドラマではなく、タイトル曲にするつもりよ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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