Coolio (クーリオ)は1994年にデビューアルバム「It Takes a Thief」をリリースし、翌年にはセカンドアルバムと同タイトルのシングル「Gangsta’s Paradise」(1995)がアメリカでこの年に最も売れた曲となり、グラミー賞「ベストラップソロパフォーマンス」を受賞するなど、一躍脚光を集めました。
「Gangsta’s Paradise」の元ネタはこちら。
その後も6枚のアルバムを発表し、多くの映画やTV番組に出演していた彼が、2022年9月28日、59歳の若さで突如この世を去りました。
今回はそんな彼の3枚目のアルバム「My Soul」(1997)に収録された「C U When U Get There」(1997)をピックアップ。
この曲は、1997年のコメディ映画「Nothing to Lose」のサウンドトラックにも収録され、シングルは全米チャート7位となり、Coolioのキャリアにおいて最後のトップ40ヒットとなりました。
ここでは、この曲の元ネタと彼の死について解説します。
Coolio feat. 40 Thevz – C U When U Get There (1997)
楽曲情報
Coolio (クーリオ)
出身地 :カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1963年8月1日
没年月日:2022年9月28日 (59歳)
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Tommy Boy Records
プロデューサー
Dominic Aldridge
元ネタ・サンプリング
Johann Pachelbel – Canon in D Major (1680)
“C U When U Get There” 元ネタ・サンプリング
Johann Pachelbel – Canon in D Major (1680)
元ネタになったのは、ドイツ出身の作曲家Johann Pachelbel (ヨハン・パッヘルベル)の「Canon in D Major」(1680)です。
彼は生前、オルガンなどの鍵盤音楽で有名で、多くの弟子を持ち、その音楽はドイツ南部、中部の作曲家たちの模範となりました。
また、今日では教会音楽や室内楽の重要な作曲家としても知られていますが、彼の作品で最も有名な作品であり、彼が生涯に書いた唯一のカノンである「Canon in D Major」は、何世紀にもわたって無名のままでした。
しかし、1968年にジャン=フランソワ・パイヤール室内管弦楽団が編曲・レコーディングしたものが人気を集め、1970年代には多くのアンサンブルによってレコーディングされるようになり、1980年代初頭にはBGMとして使用されることとなりました。
59歳でこの世を去ったクーリオ
冒頭でも触れたように、Coolioは2022年9月28日に友人宅の浴室の床で心臓発作を起こし、駆けつけた消防士らが45分間蘇生活動を行なったようですが、残念ながら帰らぬ人となってしまいました。
死因については明らかにされていませんが、今後さらなる調査が行われる予定のようです。
この悲しいニュースについて、Ice CubeやLL Cool Jなどの多くのベテランラッパーが彼に賛辞を送っています。
これは悲しいニュースだ。 俺は、この人が業界のトップにまで上り詰めたのを直接目撃している。 安らかに眠ってください、Coolio。
またCoolioは生前、現在のラップシーンについて「ヒップホップは今傷ついているんだ」とコメントしており、ベテランならではの動きにも期待が寄せられていました。
俺はまだ自分のために音楽を作っていたんだ。 でも、バランスがひどく崩れてしまったんだ。 みんなは俺を必要としているし、俺のことを好きな人もいる。 多くの人は聞きたくないだろうけど、ヒップホップは今傷ついているんだ、特に知的なスタイルの音楽を聴きたい人はね。 彼らは知的なことは何も言っていないけど、メディアはそれを望んでいない。 ラジオはリスナーを見捨てているよ。 子供が何を聴いているか、それが彼らの心にどのような影響を与えるかについて、彼らは気にかけない。 俺が一般消費者で、ラジオやテレビのリスナーなら、今すぐにでも騒ぐぜ。 大騒ぎだよ、ピストルを取り出しているところだ。
この機会に、元ネタと併せて彼の作品を聴いてみてはいかがでしょうか。
コメント