Danny Boyは10代の頃にメンバーのEverlastと出会い、同じアイルランド系アメリカ人であることから意気投合したようです。
その後、EverlastがDanny Boyの家に遊びに行った際、Danny Boyが結成しようとしていた「House of Pain」というパンクグループのデモテープを見つけ、Everlastはその名前を気に入ってDJ Lethalを呼んで、ラップグループHouse of Pain (ハウス・オブ・ペイン)が誕生しました。
彼らは、Tommy Boy Recordsと契約後、ラップグループCypress HillのメンバーDJ Muggsがプロデュースしたシングル「Jump Around」(1992)をリリース。
この曲は、全米チャート3位、カナダやイギリスのチャートでも上位にランクインする大ヒットとなり、一躍注目を集めることとなりました。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
House of Pain – Jump Around (1992)
楽曲情報
House of Pain (ハウス・オブ・ペイン)
結成 :1991年
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Tommy Boy Records
プロデューサー
DJ Muggs
元ネタ・サンプリング
Bob & Earl – Harlem Shuffle (1963)
Divine Styler – Ain’t Sayin’ Nothin’ (1989)
Junior Walker & the All Stars – Shoot Your Shot (1965)
“Jump Around” 元ネタ・サンプリング ①
Bob & Earl – Harlem Shuffle (1963)
元ネタになったのは、ソウルボーカルデュオBob & Earl (ボブ&アール)の「Harlem Shuffle」(1963)です。
この曲は1963年にリリースされ、全米チャート44位を記録。
当時、イギリスではチャート入りできませんでしたが、1969年に再発され7位を記録しています。
また、The Rolling Stonesが1986年にこの曲のカバーを発表し、彼らのアルバム「Dirty Work」に収録されています。
The Rolling Stones – Harlem Shuffle (1986)
“Jump Around” 元ネタ・サンプリング ②
Divine Styler – Ain’t Sayin’ Nothin’ (1989)
さらにHouse of Painの「Jump Around」は、ニューヨーク、ブルックリン出身のラッパーDivine Styler (ディヴァイン・スタイラー)の「Ain’t Sayin’ Nothin’」(1989)もサンプリングしています。
この曲は、Epic Recordsの傘下でラッパーのIce-TのレーベルRhyme $yndicate Recordsからリリースしたデビューアルバム「Word Power」(1989)に収録されています。
“Ain’t Sayin’ Nothin’” 元ネタ・サンプリング
Junior Walker & the All Stars – Shoot Your Shot (1965)
さらに深堀りすると、Divine Stylerの「Ain’t Sayin’ Nothin’」は、アーカンソー州ブライズビル出身のサックス奏者Junior Walker (ジュニア・ウォーカー)の「Shoot Your Shot」(1965)をサンプリングしています。
この曲は、Junior Walker & the All Stars名義で発表したデビューアルバム「Shotgun」(1965)に収録され、アルバムはR&Bチャート1位を獲得。
このアルバムと同タイトルのシングル「Shotgun」は、全米シングルチャート4位を記録する大ヒットとなり、アルバムからも5曲がチャートインしています。
おわりに
「Jump Around」を手掛けたDJ Muggsは、元々自分のグループであるCypress Hillのためにビートを作ったようですが、断られ、その後Ice Cubeにもオファーしたことを明かしています。
「Jump Around」のビートを思いついたのは、Cypress Hillのファーストアルバムの直後だったんだ。 でも、ラッパーのB-Realはそんなに早くスタジオに戻りたがらなかったんだ。 Ice Cubeにオファーしたんだけど、彼はパスしちゃったから、House of Painに渡したんだけど、これが大ヒットになっちゃった。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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