Clean Bandit『Rather Be』を現代的に蘇らせたLeoStayTrillの最新シングル『2s n 3s』

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イギリスのヒップホップは、ジャマイカのダブ文化やトースティングに大きな影響を受け、1980年代から独自のスタイルを築き上げてきました。当初はアンダーグラウンドなシーンでの活動が主でしたが、近年ではStormzyDaveLittle Simzといったアーティストたちが成功を収め、イギリスのヒップホップは商業的にも大きな成長を遂げています。

特に注目すべきは、Central Ceeの登場です。彼はUK Drillというジャンルを世界中に広め、その影響力は計り知れません。彼の楽曲『Doja』『Sprinter』は、ストリーミングでの大ヒットを記録し、イギリスのヒップホップシーンに新たな風を吹き込んでいます。また、アフロスウィングやドリルなどのサブジャンルも次々と台頭し、現在のシーンは多様性に富んでおり、国際的な影響力も増しています。

そして、今回紹介するのは、ジンバブエ生まれでイギリス出身のラッパーLeoStayTrill (レオステイトリル)です。彼は2024年にClean Bandit (クリーン・バンディット)をサンプリングしたシングル『2s n 3s』で注目を集めています。

ここでは、LeoStayTrillのこれまでのキャリアと、彼の最新シングル『2s n 3s』について詳しくご紹介いたします。

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『2s n 3s』楽曲情報

リリース日
2024年11月22日

レーベル
0207 Def Jam
Flystr8

プロデューサー
LeoStayTrill
Clean Bandit
Jake Gosling

元ネタ・サンプリング
Clean Bandit feat. Jess Glynne – Rather Be (2014)

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アフロビートからドリルまで、LeoStayTrillの自由な音楽世界

LeoStayTrill (レオステイトリル)は、2006年にジンバブエで生まれ、その後イギリス、サウスロンドンで育ちました。幼少期から音楽に魅了され、その創造性を育んできました。彼はジェイデン・スミスや映画『Let It Shine』に影響を受け、学校で歌詞を書くことを始めました。転機となったのは、教育音楽プロジェクト「We Sing U Sing」のステージで、約1400人の観客の前でパフォーマンスした経験です。この経験が彼にとって大きな影響を与え、その後の音楽活動に対する情熱をさらに深めることとなりました。

10歳の頃には限られた機材で音楽制作を独学で学び、少ない資源の中でも着実にスキルを磨き、今日の成功への基盤を築いていきました。

LeoStayTrillは、特にアメリカのラップシーンに強く影響を受けており、Lil Durkに深い影響を受けたと語っています。彼は「アメリカの音楽をたくさん聴いている。Lil BabyGunnaなどの新しいシーンはみんなが聴いているよ。でも、もちろんアフロビートも大好き。Wiz Kidをよく聴いていた時期もあったし、J Husなんかも聴いていたよ」と話しています。さまざまなアーティストからインスピレーションを受け、それを自分のサウンドにまとめ上げてきたそうです。

その後、独学で楽曲制作を学んだLeoStayTrillは、自身のYouTubeチャンネルを開設し、フリースタイルの動画を投稿していきました。これにより、彼の音楽が徐々に注目を集め始めました。

2020年には、ユーチューバーでありラッパーのKSIが主催するフリースタイル企画「Poppin’ Cypher」に出演。これが彼の音楽キャリアにおいて大きな転機となり、その翌年には、名プロデューサーであるwill.i.amの指導を受ける機会を得て、テレビ番組「ザ・ヴォイス・キッズUK」に出演。彼はその番組で決勝に進出し、より多くの人々の目に留まることとなりました。

その後、Officially Leoという名義で活動していた彼は、活動名をLeoStayTrillに変更し、2023年にシングル『Honeybun』をリリースしました。この曲はTikTokでバイラルヒットを記録し、瞬く間に多くのオーディエンスの注目を浴びました。これにより、彼はさらに自分の音楽スタイルを確立し、次のステップに進むための大きな足がかりをつかみました。

@drillyeditz whos dat? skin tone same colour as honeybun!| LeoStayTrill- On the Radar🔥|| DM FOR EDITING COURSE✅ CREDS TO @Drilly #fyp #trending #viral #leostaytrill #honeybun #rap #uk #drill #edit #drillyeditz ♬ original sound – DrillyEditz

LeoStayTrill – Honeybun

LeoStayTrillは、自身のラップスタイルについて、音楽は自由であるべきだと語っています。彼はジャンルに縛られることなく、感じたままを表現することを重視しています。例えば、『Honeybun』のような曲については、リリックの技術を見せることが目的ではなく、楽しくて踊れる曲を意識して作ったと言います。

「自分の音楽はアフロドリルっぽいとも言えるけれど、もっと自由な感じがする。謙虚に言うと、ラップは得意だという自信がある。でも、『Honeybun』のような曲は、リリックの能力を見せつけるためのものではない。ダンスできる曲を作りたいという感覚で作っているんだ。リリックのスキルを見せる場ではないんだよね。本気で速いラップをやろうと思えばできるけど、マイクの前に立った時、その瞬間に感じたことを自由に表現する。それが自分の音楽のスタイル。ルールなんてないんだ」と語り、音楽における自由なアプローチを大切にしています。

2024年に発表したシングル『Pink Lemonade (Str8 Reload)』は、TikTokで数千万回再生され、TikTokチャートにランクイン。さらに、Spotifyのプレイリスト「バイラル50」でも30カ国以上のプレイリストに選ばれるなど、彼の音楽が多くのオーディエンスに認知されるきっかけとなりました。

LeoStayTrill – Pink Lemonade

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Clean Banditとの『2s n 3s』とは?

LeoStayTrill & Clean Bandit – 2s n 3s (2024)

『2s n 3s』は、LeoStayTrillの自信に満ちたラップと、Jess Glynneの感情豊かなボーカルが見事に融合した作品です。LeoStayTrillは、自身の音楽キャリアでの成功やオンラインでの収入源、そして自分を取り巻く人間関係を描写しながら、南側の厳しい環境で生き抜く姿勢を強調しています。彼のラップには、困難に立ち向かいながらも前進し続ける強い意志が感じられます。

一方、Jess Glynneはこの曲で「君と一緒ならどこにも行きたくない」という愛と絆をテーマに、深い感情を表現しています。彼女の歌声は、2人の関係が持つ特別さと、互いに支え合う強い絆を繊細に描き出しています。

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『2s n 3s』元ネタ・サンプリング情報

Clean Bandit feat. Jess Glynne – Rather Be (2014)

LeoStayTrill『2s n 3s』の元ネタとなったのは、イギリスのグループClean Bandit (クリーン・バンディット)Jess Glynneによる『Rather Be』(2014年)です。この曲は、Clean Banditのデビューアルバム『New Eyes』(2014年)に収められており、また、Jess Glynneのデビューアルバム『I Cry When I Laugh』(2015年)のデラックス版にも収録されています。

『Rather Be』は、UKシングルチャートで4週連続1位を獲得し、2014年にイギリスで3番目に売れたシングルとして大成功を収めました。その後、世界13カ国のチャートでも首位を獲得し、グラミー賞では「最優秀ダンスレコーディング部門」を受賞するなど、世界的に大きな影響を与えました。

また、この曲のミュージックビデオは、Clean Bandit自身が監督を務め、東京で撮影されました。ミュージックビデオのビジュアルは、「清潔な盗賊」というClean Banditの名前を和訳したもので、独特の雰囲気が漂っています。このビジュアルと曲のテーマが見事に融合し、公開から現在に至るまで7億回以上再生されるバイラルヒットとなりました。

『Rather Be』は、現在までにSpotifyで14億回以上のストリーミングを記録し、Clean BanditJess Glynneの代表曲となりました。この曲について、Clean BanditのメンバーであるGrace Chattoは、最初はラブソングになるとは思わずに作り始めたと明かしています。しかし、曲が進化する中で、相手に完全に満足している気持ちを表現する幸せで感傷的なラブソングに仕上がったと語っています。

「一緒にいる相手に完全に満足していることを歌ったラブソングよ。私たちは普段、まずすべてのインストのパートを書いて、その後にボーカルの作業に取り掛かるの。ジャックがオリジナルの歌詞を書いたとき、その時はこれがラブソングになるとは思っていなかったけど、その後、とてもハッピーでセンチメンタルな曲に仕上がったわ」とGraceは語っています。

一方で、Clean Banditの大ヒット曲をサンプリングしたLeoStayTrill、『2s n 3s』について「このシングルは、クラシックで不朽の名曲を現代風に復活させるというアイデアから生まれたんだ。曲を不当な扱いをすることなく、自分の創造性を発揮することが俺の考えだったんだ」と語り、オリジナルの魅力を尊重しながらも新しい形で表現することに重点を置いていることを明かしています。

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おわりに

LeoStayTrillは、独自の音楽スタイルと多様な影響を持つラッパーとして、今後のヒップホップシーンを牽引していく存在になるかもしれません。彼の新曲『2s n 3s』は、Clean Banditの名曲『Rather Be』を現代的に蘇らせるとともに、彼自身の音楽的自由と創造性を強く示しています。

このシングルは、彼のキャリアにおける新たな章の始まりを告げるとともに、音楽の枠を超えた可能性を感じさせる作品と言えるでしょう。彼の今後の活躍がますます楽しみです。

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