Keith SweatやNe-Yoのソングライター、バックヴォーカルとして楽曲に参加し、その後もElla MaiやMary J. BligeなどのR&Bシンガーの作品を手掛けて、業界にその名を広めたLucky Daye (ラッキー・デイ)
その後Keep Cool Records、RCA Recordsと契約を交わし、2019年にデビューアルバム「Painted」をリリース。
このアルバムは、グラミー賞「最優秀R&Bアルバム」にノミネートされ、リードシングル「Roll Some Mo」は「最優秀R&Bソング」と「最優秀R&Bパフォーマンス」にノミネートされ、一躍全米中から注目を集めた作品になりました。
そんな彼が、2022年にセカンドアルバム「Candydrip」をドロップ。
Silk Sonicで注目を集めたD’Mileが前作に引き続き多くの楽曲をプロデュースし、Lil Durk、Chiiild、Sminoがゲスト参加しています。
今回は、このアルバムからリードシングルの「Over」(2021)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Lucky Daye – Over (2021)
楽曲情報
Lucky Daye (ラッキー・デイ)
出身地 :ルイジアナ州ニューオリンズ
生年月日:1985年9月25日
ジャンル:R&B
レーベル
Keep Cool Records
RCA Records
プロデューサー
D’Mile
元ネタ・サンプリング
Musiq Soulchild – Halfcrazy (2002)
Francis Lai – Vivre Pour Vivre (1967)
“Over” 元ネタ・サンプリング
Musiq Soulchild – Halfcrazy (2002)
元ネタになったのは、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のシンガーMusiq Soulchild (ミュージック・ソウルチャイルド)の「Halfcrazy」(2002)です。
この曲は、彼のセカンドアルバム「Juslisen」(2002)に収録され、アルバムは全米チャート1位を獲得し、グラミー賞「最優秀R&Bアルバム」にノミネートされています。
この「Halfcrazy」は、もともとR&BグループDru HillでメンバーのであるJazzのソロデビューアルバムに収録される予定でしたが、彼がこの曲をアルバムから外したため、Musiq Soulchildがリリックを書き直してリリースに至ったと、プロデューサーのCarvin&Ivanは明かしています。
彼(Jazz)と一緒にスタジオに入って「Half Crazy」という曲をレコーディングしたんだ。 ただ、リリックが今と違っていて、音楽も全然違っていた。 それでやってみたら、すごく良かった。 何ヶ月か経って、Jazzに連絡して、まだ曲が欲しいかどうか聞いたら、彼は「わからないけど、何か違うサウンドを入れないといけないと思う」と言ったんだ。 彼は、もう少し音楽性を強調したものを求めていたんだ。 トラックを組み立ててJazzに電話して、彼の曲を持っていると伝えたら、彼は「あー、パスするよ!」という感じだった。 それから数ヶ月経って「Girl Next Door」のビデオ撮影をしていたら、Musiqが「そうだ、次のアルバムを作る準備をしているんだけど、どの曲をカットしたいか知ってるかい?『Halfcrazy』をカットしたいんだ」と言ったんだ。 L.A.に行って、帰ってきて、数ヶ月後にスタジオに直行して、Musiqと仕事をしたんだ。 CarvinとMusiqのために最初にビートを弾いたんだけど、君たちは気が狂いそうになってたね。 それから歌詞を書き換えてフックを削っただけで、あとは歴史に残るような作品になったよ。
“Halfcrazy” 元ネタ・サンプリング
Francis Lai – Vivre Pour Vivre (1967)
さらに深堀りすると「Halfcrazy」は、フランス出身の作曲家Francis Lai (フランシス・レイ)の「Vivre Pour Vivre」(1967)をサンプリングしています。
この曲は、1967年に公開されたフランス映画「Vivre pour vivre」で使用されています。
この映画は、観客動員数293万人を超え、その年の興行収入7位を記録し、ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。
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