ブルックリンで育ったLil’ FameとBilly Danzeは「Mash Out Posse」というクルーを結成しましたが、近所で兄が射殺されことをきっかけに、2人は音楽を通して自分を表現することを選び、Mash Out Posseの名をとってヒップホップデュオM.O.P. (エムオーピー)を結成。
1994年にアルバム「To the Death」でデビューし、DJ Premierが多数楽曲を手掛けたセカンドアルバム「Firing Squad」(1996)は、R&B/Hip Hopチャート12位を記録。
彼らの3枚目のアルバム「First Family 4 Life」(1998)には、Gang StarrやOC、Treach、Jay-Zがゲスト参加するも、このアルバムは、ニューヨークのHMVの店舗から最も盗まれたアルバムという不名誉な記録を持っているという。
その後、2000年に発表したアルバム「Warriorz」は、R&B/Hip Hopチャート5位を記録し、M.O.P.のキャリアで最も成功した作品になりました。
今回は、このアルバムからリードシングルの「Ante Up」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
M.O.P. – Ante Up (Robbin Hoodz Theory) (2000)
楽曲情報
M.O.P. (エムオーピー)
結成 :1992年
ジャンル:Hip Hop
メンバー:Lil’ Fame, Billy Danze
レーベル
Loud Records
Relativity Records
プロデューサー
D/R Period
元ネタ・サンプリング
Sam & Dave – Soul Sister, Brown Sugar (1969)
“Ante Up (Robbin Hoodz Theory)” 元ネタ・サンプリング
Sam & Dave – Soul Sister, Brown Sugar (1969)
元ネタになったのは、ソウルボーカルデュオSam & Dave (サム&デイヴ)の「Soul Sister, Brown Sugar」(1969)です。
彼らは、1960年代最高のソウルボーカルデュオと言われ、ゴスペルを取り入れた骨太な演奏は「ダブルダイナマイト」「ダイナミックデュオ」と絶賛されています。
またAl Green、Michael Jackson、Teddy Pendergrass、Billy Joelなど、彼らの後に続く多くのミュージシャンも、このデュオに影響を受けたと明かしています。
彼らの「Soul Sister, Brown Sugar」はR&Bチャート18位を記録。
「Ante Up」にサンプリングされたことで、再び注目を集め、Yummy Binghamの「Come Get It」(2006)ではイントロからサンプリングされています。
Yummy Bingham feat. Jadakiss – Come Get It (2006)
終わりに
「Ante Up (Robbin Hoodz Theory)」はUKシングルチャート7位を記録し、リリースから数年後には映画やCMで使用され、M.O.P.をメインストリームに押し上げた1曲となりました。
メンバーのBilly Danzeは、この曲について次のように明かしています。
この作品には2つの意味があるんだ。 俺たちはこのゲームを長く続けている。 俺たちがステージを破壊し、メジャーアーティストの楽曲に参加した時、いかに手際よく仕事をこなすか、お前たちはまだ俺たちにふさわしい賞賛と評価を与えてくれない。 一方は、俺たちがどこから来たかということだ。 金が必要だ、金を出せ、それを脱げ、シャツを脱げ、でも誰も最初の部分は知らない。
自分たちの実力が認められていないことから生まれたこの曲は、Busta Rhymes、Teflon、Remy Martinが参加したリミックスも発表され、クラブアンセムとして愛されている曲の1つとなりました。
M.O.P. feat. Busta Rhymes, Teflon, Remy Martin – Ante Up Remix (2000)
この機会に元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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