「Int’l Players Anthem (I Choose You)」は、南部ヒップホップの名門UGK (ユージーケー)と伝説的デュオOutkast (アウトキャスト)が2007年に放った歴史的コラボ曲だ。この曲は、プロデュースを Three 6 Mafia (DJ Paul & Juicy J) が担当し、Willie Hutch (ウィリー・ハッチ)の「I Choose You」からのサンプルを使用している。元のビートはProject Pat (プロジェクト・パット)の「Choose U」(2002)で使われたもので、そこからUGK用に発展した。
🎧 クイック概要:10秒でわかる基本データ
| アーティスト / 曲名 | UGK feat. OutKast / Int’l Players Anthem (I Choose You) |
| 収録アルバム | Underground Kingz |
| サンプリング元 | Willie Hutch / I Choose You |
| 最高位 | Billboard Hot 100 70位(UGKにとって唯一のチャートイン) |
🎵 サンプリングの深いルーツ
この曲のビートには、二重のサンプリング構造がある。
まず、Three 6 MafiaがProject Patの「Choose U」(2002)用に制作したビートが土台となっている。そしてそのビートは、さらに遡ってWillie Hutchの「I Choose You」(1973)からサンプリングされたものだ。
Willie Hutchは映画『The Mack』のサウンドトラックのために「I Choose You」を書いたソウル歌手であり、映画音楽でも名高い存在だ。この”愛を選ぶ”という歌詞が、後のラップ曲におけるメッセージ性の核となった。
🧠 元々は別アーティスト用のトラックだった?

元々このビートは Project Patの「Choose U」として Three 6 Mafia が制作したものだが、その後UGKが使用し、Outkastがが参加する形で完成したという裏話がある。
しかし、レーベルの都合でクリアランスが通らず、最終的にUGKとOutkastがラップを乗せる形になったという逸話が残っている。Juicy J自身も後に「最初は自分たちのラップも入っていたが、レーベルが通さなかった」と明かしており、もし実現していれば全く違う曲になっていた可能性もある。
💢 André 3000の”ドラム抜き”で大激怒

制作秘話として最も有名なのが、André 3000は、自分のパートを録る際に “一部でドラムを抜いた状態” で提出し、Pimp Cがその変更に最初は激怒したと語っている。最終的にはメンバーの意見でその形を採用し、今では楽曲の象徴的な入り方として定着した。
「ピンプはめっちゃキレて、"誰だお前はこんなふうにビート変えやがったんだ!"って…」
しかし周囲が「ドラムが入るまでの沈黙が効く」と説得し、結果的に大成功を収めた。この決断が、今では歴史的に印象的なイントロとして語り継がれている。
🎥 ミュージックビデオは”短編映画”仕立て

ミュージックビデオは、架空のAndré 3000の結婚式を描いたユニークな設定だ。式前の待合室から披露宴、アフターパーティーまでを追いかける構成で、まるで短編映画のようなストーリー性がある。
特に話題になったのが、Andréが赤いキルト(スコットランド風スカート)で現れるシーン。視聴者からは「まるでWWEのレスラーみたい」と評された。
また映像には、Bishop Don “Magic” Juan、Three 6 Mafia、T-Pain、Fonzworth Bentleyなど豪華カメオも多数登場している。
💭 歌詞テーマ:愛と誓約、そして遊び心
André 3000の冒頭は”愛と誓約”をテーマにした哲学的なラップで始まり、そこからビートが落ちて一気にクラブ感へ変わる構成が印象的だ。
一方、Pimp Cのパートは、いかにも”プレイヤー(遊び人)”らしいユーモアと皮肉を織り交ぜたライン。聴き手を笑わせつつも一目置かれる存在感を示している。
Redditなどのファンコミュニティでは、「この曲なしに結婚式はあり得ない」など、ウエディングソングとしての定番化をネタ交じりに語る声も多い。
🏆 受賞・評価
本曲は批評家・リスナー双方から高い評価を受けている。
- Rolling Stone の「500 Greatest Songs of All Time」では91位に選出され、同誌の「Best Songs of 2007」でも10位にランクインしている。
- 「500 Greatest Songs of All Time」選出
- BET Awards Video of the Year受賞(Kanye Westが譲る場面も話題に)
- Pitchforkやヒップホップメディアでも「2000年代最高曲」のひとつとして頻繁に名前が挙がる
📌 まとめ:なぜ今も語り継がれるのか
「Int’l Players Anthem」は、単なるクラブヒットを超えてヒップホップ文化圏で”アンセム(国歌)”的扱いを受けている。
✔ UGKにとって唯一のBillboardチャート入りシングル
✔ Southern Hip-Hopを象徴する一曲
✔ ソウルの名曲サンプルを生かした名プロダクション
✔ Three 6 Mafiaのバージョンが存在した可能性があるという制作裏話
✔ André 3000の”ドラム抜き”が最初UGKを怒らせたものの、結果的に曲の名場面となった
✔ 結婚式・ウェディングの定番曲としても愛されている
ファンからは「自分の結婚式でも使った」「青春の思い出」など、全世代を通して語られる名曲として今も愛され続けている。
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