これまでにアメリカで1400万枚以上のセールスを記録し、全世界で3000万枚を売り上げたラッパーのJa Rule (ジャ・ルール)。
この中でもアルバム「Rule 3:36」(2000)と「Pain Is Love」(2001)は全米チャート1位に輝き、一躍知名度を上げた作品となりました。
今回は「Rule 3:36」(2000)からLil Mo (リル・モー)をフィーチャーした「I Cry」をピックアップ。
彼女の響き渡る、切ないコーラスが印象的なこの曲を解説していきます。
楽曲情報
Ja Rule (ジャ・ルール)
出身地 :ニューヨーク、クイーンズ
生年月日:1976年2月29日
ジャンル:Hip Hop, R&B
Lil Mo (リル・モー)
出身地 :ワシントンD.C.
生年月日:1978年11月19日
ジャンル:R&B, Hip Hop
レーベル
Murder Inc. Records
Def Jam Recordings
プロデューサー
Irv Gotti
Lil’ Rob
元ネタ・サンプリング
O’Jays – Cry together (1978)
Ja Rule feat. Lil Mo – I Cry (2000)
元ネタ・サンプリング
O’Jays – Cry together (1978)
元ネタとなったのは、オハイオ州出身のR&BグループO’Jaysの「Cry together」(1978)です。
この曲は彼らのアルバム「So Full of Love」(1978)に収められ、全米Soulチャート1位に輝いた「Use Ta Be My Girl」と共に収録されています。
O’Jays – Use Ta Be My Girl (1978)
また「Cry together」はこれまでに50曲近くサンプリングに使われた曲で、Johnny GillやAllureの楽曲では原曲を崩さずに使用しています。
Johnny Gill – Touch (1996)
Allure – Anything You Want (1997)
アルバム “Rule 3:36”
この作品から4枚のシングルがリリースされ、同じくLil Moを迎えた「Put It On Me」は初の全米チャートTop10入りを果たした1曲になりました。
また第44回グラミー賞の「Best Rap Performance by a Duo or Group」にキャリア初のノミネートとなり、Ja Ruleの知名度をメインストリームに引き上げる作品となりました。
Ja Rule feat. Lil’ Mo & Vita – Put It On Me (2000)
Lil Moとヒット曲を発表するものの、所属しているレーベル “Murder Inc.” の長であるIrv Gottiからは、彼女とのコラボレーションはこの曲を最後にすることを命じられます。
その代役にシンガーのAshantiとコラボレーションすることで、「Mesmerize」や「Always on Time」といったヒットソングが生まれました。
その後皮肉にもLL Cool Jが2008年に発表した「Cry」はLil Moを客演に迎え、表題曲の「I Cry」をサンプリングしています。
LL Cool J feat. Lil’ Mo – Cry (2008)
終わりに
Ja Ruleの「I Cry」はいかがでしたでしょうか。
この曲でLil Moとのコラボレーションがなくなったのは残念ですが、後のAshantiが活躍したことでIrv Gottiの判断は間違っていなかったように思えますね。
この機会に元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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