シングル「Right Here」「Weak」などのヒットでブレークし、その後も数々の名曲を残してきたR&BグループのSWV (エスダブリュヴイ)。
これまでに全世界で2500万枚以上のセールスを記録し、90年代に大きく成功を掴んだグループになりました。
今回は彼女たちの90年代最後のアルバム「Release Some Tension」(1997)から「Rain」をピックアップ。
この曲はイントロからジャズベーシストをサンプリングし、彼女たちらしいスローなナンバーに仕上がりました。
元ネタについて解説します。
SWV – Rain (1997)
楽曲情報
SWV (エスダブリュヴイ)
結成 :1988年
ジャンル:R&B
メンバー:Coko, Taj, Lelee
レーベル
RCA Records
プロデューサー
Brian Alexander Morgan
元ネタ・サンプリング
Jaco Pastorius – Portrait of Tracy (1976)
“Rain” 元ネタ・サンプリング
Jaco Pastorius – Portrait of Tracy (1976)
元ネタになったのは、ペンシルベニア州ノリスタウン出身のベーシストJaco Pastorius (ジャコ・パストリアス)の「Portrait of Tracy」(1976)です。
この作品を発表するまで、ジャズバンドWeather Reportに在籍し、ベーシストや楽曲提供などマルチに活動。
グループを脱退後、満を持して彼のソロデビューアルバム「Jaco Pastorius」(1976)を発表し、前述した「Portrait of Tracy」を収録しています。
しかし1987年に泥酔状態の彼が、ナイトクラブの外で従業員と入店を巡って喧嘩が勃発。
これは従業員が彼の入店を断ると激しい揉み合いになり、その際に頭部を強打。
脳挫傷を起こして脳死状態になり、事件から10日後に生命維持装置を外して35歳という若さでこの世を去りました。
しかし数々の作品を残してきた彼は、2017年にアメリカの音楽雑誌「DOWNBEAT」が選ぶ「DownBeat Jazz Hall of Fame」の7人の内の1人に選出。
史上最高のエレクトリック・ベーシストの一人として称賛されています。
終わりに
SWVの「Rain」のMVにはシンガーのTyreseが出演していますが、この曲をサンプリングしたChingyのシングル「Pullin’ Me Back」(2006)では、彼がコーラスを担当。
リリースから約10年の時を経て、再び楽曲に携わったTyrese。
R&Bチャート1位を獲得するなど、彼にとって印象深い1曲になったのかもしれませんね。
この機会に改めて懐かしの名曲たちを聞いてみてはいかがでしょうか。
Chingy Feat. Tyrese – Pullin’ Me Back (2006)
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