Fivio Foreign「What’s My Name」解説|Beyoncéが歌詞に口出し?「Say My Name」サンプリング秘話と裏話

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Fivio Foreign (ファイヴィオ・フォーリン)が2022年に放ったデビューアルバム『B.I.B.L.E.』。その中核を成す5曲目「What’s My Name」は、単なる新曲の枠を超え、90年代R&Bへの敬愛と現代ドリルのエッジが交差する、きわめて野心的な一曲だ。

Queen NaijaCoi Lerayという旬の才能を迎え、RichFish/Columbiaからリリースされた本作がいかにして生まれたのか、その裏側に迫る。

Fivio Foreign feat. Queen Naija & Coi Leray – What’s My Name (2022)

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ビヨンセからの「愛の説教」? 異例のサンプリング裏話

この楽曲のアイデンティティは、1999年の世界的ヒット曲、Destiny’s Child (デスティニーズ・チャイルド)Say My Name」を大胆にサンプリングしている点にある。しかし、この伝説的フレーズを使用するまでの道のりは、一筋縄ではいかなかった。

サンプリングの権利クリアランスの過程で、Beyoncé(ビヨンセ)本人のチーム、そしてビヨンセ自身が楽曲の内容を確認し、歌詞の修正を求める形で関与したのだ。FivioがHot 97のインタビューで明かしたところによれば、当初の歌詞はドリルらしい過激な表現が含まれていた。それに対しビヨンセ側から「女の子をそんな風に描写するべきではない」という趣旨で、歌詞をよりクリーンにするよう修正の要望が伝えられたという。

レジェンドからの直々のフィードバックを受け、Fivioは何度も書き直しを重ねた。このエピソードは、単なる事務的な手続きを超え、世代やジャンルを超えたアーティスト同士の、ある種「教育的」で温かみのあるコミュニケーションの産物と言えるだろう。

Destiny’s Child – Say My Name (1999)

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緻密なプロダクションが生んだ「ドリル×R&B」の調和

楽曲制作には、AyoAA、Bordeaux、Non Nativeといった精鋭プロデューサー陣が名を連ねている。彼らは、オリジナルの甘美なギターリフや耳に残るフックを活かしつつ、それを重厚なドリルビートへと見事に溶け込ませた。

  • Fivio Foreign: 自信に満ちたラップで、相手に自分の名前を呼ばせる情熱を表現。
  • Queen Naija: その歌声で楽曲にエモーショナルな深みを与える。
  • Coi Leray: 彼女らしい直球の存在感とセクシーなバイブスで華を添える。

「自分の名前を呼んでほしい」という普遍的なテーマを軸に、男女の駆け引きを現代的なサウンドスケープで描き出しているのが特徴だ。

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視覚で語るDestiny’s Childへの敬意

2022年6月30日に公開されたミュージックビデオは、名匠Benny Boomが監督を務めた。ニューヨークの街並みやパーティーシーンを舞台に、視覚的にも「Say My Name」へのリスペクトが散りばめられている。

映像の随所には、Destiny’s Childの代表曲「Soldier」や「Survivor」、「Jumpin’, Jumpin’」を思わせる衣装や演出が取り入れられており、往年のファンにはたまらない仕掛けとなっている。また、Coi Lerayが巨大なニシキヘビと共演するシーンは、そのインパクトから「伝説級の遊び心」としてファンの間で語り草になった。

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アルバム『B.I.B.L.E.』が示した到達点

「What’s My Name」を収録したアルバム『B.I.B.L.E.』は、Fivioのキャリアにおいて決定的な意味を持つ。

Kanye WestやAlicia Keys、Quavoといった超豪華ゲストを迎え、ニューヨーク・ドリルの新たな可能性を提示したこのアルバムは、リリース初週にビルボード200で第9位を記録。商業的な成功と共に、彼がシーンの最前線にいることを証明した。

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歴史との対話が生んだ名曲

「What’s My Name」は、過去の名曲を単に消費するのではなく、リスペクトを持って現代へとアップデートした作品だ。ビヨンセからの助言、豪華な共演陣、そして遊び心あふれるMV。そのすべてが、この曲を『B.I.B.L.E.』という作品、ひいては2020年代のヒップホップシーンにおける重要な「歴史の一部」へと押し上げている。

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