アイルランド人の母とガイアナ人の父の間に生まれたイギリス人ラッパーCentral Cee (セントラル・シー)は、14歳でキャリアをスタートし、BonkazやJ Husと共にシングル「Ain’t On Nuttin Remix」(2015)で業界デビューを飾りました。
2020年、シングル「Day in the Life」がYouTubeで5000万再生され、続くシングル「Loading」(2020)は、自身初のUKチャートトップ20入りを果たし、YouTubeで1億回再生を記録。
2021年には前述の2曲を収録したデビューミックステープ「Wild West」をリリースし、UKアルバムチャートで2位、収録曲の「Commitment Issues」はUKチャートで9位となり、瞬く間にイギリス全土にその名を轟かせることになりました。
精力的に活動するCentral Ceeは、同年リリースしたシングル「Obsessed with You」(2021)が「Commitment Issues」を上回るUKチャート4位、UK Hip Hop/R&Bチャートで1位を獲得し、2022年に同曲を収録した2枚目のミックステープ「23」をリリースしています。
そんな彼が、シングル「Doja」(2022)をドロップ。
Lyrical LemonadeのCole Bennettが監督を務めたこのMVは、YouTubeで公開され、5日間で900万再生を記録するなど、すでに多くのオーディエンスを虜にしているようです。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Central Cee – Doja (2022)
楽曲情報
Central Cee (セントラル・シー)
出身地 :イギリス、ロンドン
生年月日:1998年6月4日
ジャンル:Hip Hop
プロデューサー
LiTek
WhYJay
元ネタ・サンプリング
Eve feat. Gwen Stefani – Let Me Blow Ya Mind (2001)
“Doja” 元ネタ・サンプリング
Eve feat. Gwen Stefani – Let Me Blow Ya Mind (2001)
元ネタになったのは、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のラッパーEve (イヴ)の「Let Me Blow Ya Mind」(2001)です。
この曲は、彼女のセカンドアルバム「Scorpion」(2001)に収録され、アルバムは全米チャート4位を記録。
アルバムからのリードシングルでもあるこの曲は、Dr. DreとScott Storchがプロデュースし、全米チャート2位を記録、グラミー賞「ベストラップ/ソングコラボレーション」を受賞しています。
Eveは、プロデューサーのDr. Dreから「この曲が完成するまでスタジオを出るな」と言われ、またこの曲にゲスト参加したGwen Stefani (グウェン・ステファニー)の大ファンであることを明かしています。
この曲は私が書き上げた曲で、一字一句全部書いたんだ。 私は自分で曲を書くんだけど、いつもバースを作った後は怠けちゃうんだよね。 コードを書きたくなかったんだけど、Dreは「この曲が完成するまでスタジオを出るな」と言ったの。 あの日、彼を憎んでいたけど、私を引き止めてくれたことがとても嬉しかったわ。 この曲のもうひとつのポイントは、Dreがビートを担当しただけでなく、15歳のときから知っているフィリー出身のScott Storchにも担当してもらい、さらにNo Doubtで大ファンだったGwen Stefaniを迎えたことだわ。 でも、そんなのうまくいくわけがないって言われたの。 「なんでこの2人が一緒にいるんだ?」って。 私は「やってみよう。もしダメだったら、誰も聞かなくていいや」って。 でも、そうじゃなかった。そうなると思っていたんだ。 ありがたいことだわ。 それで君が知っている通り、グラミー賞を受賞したんだ。 私の最初のグラミー賞だわ。
TikTokで早くもバイラルヒット
Eveの代表曲をサンプリングしたCentral Ceeは、この曲のリリース前にTikTokに投稿されたショート動画がすでにバイラルヒットとなり、この曲を使用した音源は19億回再生を記録しています。
@txvrdm doja🥷🏼🔥 #centralcee #txvrdm ♬ оригинальный звук – 𝖙𝖝𝖛𝖗𝖉𝖒🥶
また、Central Ceeはアメリカの音楽シーンへの進出を視野に入れているようで、彼は次のように明かしています。
俺たちはやるつもりだよ。どうやるかはよくわからないけど。 今は、ほとんど計画段階だよ。 俺はやりたくないけど、多くのフィーチャリングに参加できるんだ。 一緒に仕事をしたい人はたくさんいるけどね。 でも、それは正しい決断でなければならないね。 そして、それは完璧な選択でなければならない。 俺は、正しいことを待っているところだよ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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