音楽界に大きなニュースが舞い込んできた。レゲエ界の巨匠Shaggy (シャギー)と、ロック界の伝説Sting (スティング)が再びタッグを組み、新曲「Til A Mawnin」をリリースしたのだ。
かつて2018年のコラボアルバム『44/876』でグラミー賞を獲得した二人の再会は、単なる懐古的なものではなく、音楽の根源的な喜びと、ジャマイカ文化の誇りを現代に再提示する、奥行きのある作品となっている。
Shaggy feat. Sting – Til A Mawnin (2025)
過去への敬意と現代への再定義
この曲のサウンドは、二人の原点回帰を強く感じさせる。Shaggyが、ジャマイカのレジェンド、Henry “Junjo” Lawesのクラシック・リディムを再構築したことで、サウンドシステム文化やダンスホールの精神が現代のリスナーに力強く届けられている。
具体的には、1981年にDon Carlos (ドン・カルロス)とCaptain Sinbad (キャプテン・シンバッド)が発表した名曲「I’m Not Crazy」をサンプリング。
Don Carlosのソロアルバム『Day to Day Living』に収録されたこのトラックを軸に、軽快なレゲエのリズムと心地よいグルーヴが織りなされているのだ。
Don Carlos & Captain Sinbad – I’m Not Crazy (1982)
Shaggyはこの選曲について、「ジャマイカの文化的な深みを再認識させたかった」と語っている。単なる過去の再現ではなく、現代の文脈でいかにジャマイカ文化を再定義するか、その強い意志が感じられる。
一方、Stingもこのリディムに触れた際に「自然と笑顔になった」と明かしており、音楽が持つ純粋な喜びが、この曲の本質であることを強調している。
「音楽は薬」という共通の信念

二人が共通して抱く信念、それは「音楽は薬である」というものだ。
Stingは「今の世界には、本当に喜びが必要だ」と力説し、メロディの美しさ以上に、曲全体が放つ幸福感こそが重要であると語っている。
Shaggyもまた、分断と混乱が渦巻く現代だからこそ、文化的な誇りを伴う「フィール・グッド」な音楽が求められていると述べる。
曲中で歌われるのは、レゲエやダンスホールのパーティーで、夜が明けるまで音楽に酔いしれる高揚感。名曲がかかれば体が自然と動き出し、観客がライターを掲げ、会場全体が一体となる——そんなジャマイカのリアルなナイトライフが、ShaggyのラップとStingの歌声によって鮮やかに描き出されている。
熱狂的な反響と変わらぬ友情
この楽曲は、リリース直後からジャマイカのコミュニティで熱狂的な反響を呼んだ。
「本物のレゲエが帰ってきた」「誇りを感じる」といった声がSNSに溢れ、Shaggy自身も「自分が育ってきた文化が、こうして受け入れられたことはとても嬉しい」と深い感慨を述べている。
Stingとの関係性についても、「音楽を超えて、家族のような存在だ」と語る言葉からは、二人の揺るぎない信頼関係がうかがえる。
プロモーション活動も盛んに行われ、SiriusXMの公開収録では長年の友情を語り、息の合ったパフォーマンスで視聴者を魅了。ニューヨークのAudacyでは、StingがShaggyの音楽が持つポジティブなヴァイブと遊び心を絶賛し、ShaggyはStingの即興パフォーマンスへの期待を笑顔で語った。
人気深夜番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』への出演時には、ファロンとの軽妙なやりとりの中で制作秘話が明かされ、多くのファンを楽しませた。
さらに奥深く。リミックス版が描く世界
さらに、リリースから2ヶ月後にはリミックスバージョンも発表された。原曲が持つクラシックなダンスホールの質感を深めつつ、Stingのボーカルがより前景化され、浮遊感とスピリチュアルな要素が強調されている。
ジャマイカ文化において、サウンドシステムは単なる音響装置ではなく、ポスター、DJ、MC、そして地域に根ざした社交の場を意味する。このリミックスは、そのサウンドシステム文化へのオマージュをさらに色濃く描き出しており、まさに「夜が明けるまで」続くダンスホールの陶酔感を再現していると言えよう。
Shaggy feat. Sting – Til A Mawnin (Remix)
時代をつなぐ、文化の架け橋
「Til A Mawnin」は、単なる昔のリディムを蘇らせたリバイバルではない。
ShaggyとStingという異なるルーツを持つアーティストが、互いの文化を尊重し、普遍的なテーマを重ねて生み出した「文化の架け橋」である。レゲエという音楽が持つ本来の役割、すなわちコミュニティをつなぎ、人々の心に希望の灯をともす力。この曲は、そのことを改めて世界に示しているのだ。
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