90年代初頭からラッパーのキャリアをスタートさせ、これまでに900万枚以上のセールスを記録しているBusta Rhymes (バスタ・ライムス)。
シングル「I Know What You Want」(2002)では当時、不振続きであったMariah Careyがこの曲をきっかけに勢いを取り戻すナンバーになりました。
「I Know What You Want」(2002)についての記事はこちら。
今回はそんな彼の7枚目のアルバム「The Big Bang」(2006)からリードシングルにもなった「Touch It」(2005)をピックアップ。
アルバムは自身初の全米チャート1位に輝き、「Touch It」(2005)はクラブヒットとなりました。
またこの曲は、フランス出身の音楽デュオDaft Punkをイントロから大胆にサンプリング。
元ネタについて解説します。
Busta Rhymes – Touch It (2005)
楽曲情報
Busta Rhymes (バスタ・ライムス)
出身地 :ニューヨーク、ブルックリン
生年月日:1972年5月20日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Aftermath Entertainment
Interscope Records
プロデューサー
Swizz Beatz
元ネタ・サンプリング
Daft Punk – Technologic (2005)
“Touch It” 元ネタ・サンプリング
Daft Punk – Technologic (2005)
元ネタになったのは、フランス出身の音楽デュオDaft Punkの「Technologic」(2005)です。
この曲はわずか6週間で仕上げた3枚目のアルバム「Human After All」(2005)に収録し、全米ダンス/エレクトロチャートで1位を獲得。
翌年行われたグラミー賞では「ベスト・エレクトロニック/ダンス・アルバム」にノミネートされています。
また「Technologic」はUKダンスチャートで1位を獲得。
Busta Rhymesが「Touch It」でサンプリングしたことにより、2007年に発表したDaft Punkのライブアルバム「Alive 2007」から「Touch It / Technologic」で2曲をミックスした楽曲を発表しています。
Daft Punk – Touch It / Technologic (2007)
Touch It Remix
Busta Rhymes feat. Mary J. Blige, Rah Digga, Missy Elliott, Lloyd Banks, Papoose & DMX – Touch It Remix (2006)
また翌年にはMary J. Blige、Lloyd Banks、DMXなど豪華面々が集結したRemixをドロップ。
Remixではラッパーごとに色が分けられ、それぞれのラップスキルを見せつけるMVが印象的です。
またブルックリンで行われたMVの撮影中に、Busta Rhymesのボディガード兼側近であるIsrael Ramirezがセットの外で射殺されました。
そのためMVの始まりではBusta Rhymesが故人へのメッセージで「彼がどれほど大切な存在であったか、彼のことを忘れないでほしい」と言葉が添えられています。
そんなバックグラウンドがありながらもこの曲は、2006年のMTVビデオ・ミュージック・アワードで、「最優秀男性ビデオ賞」と「最優秀ラップ・ビデオ賞」にノミネート。
グラミー賞「最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス賞」にノミネートされるなど、この年話題を集めたRemixの1つになりました。
終わりに
今作が収録しているアルバム「The Big Bang」(2006)はDr.Dre、DJ Scratch、J Dilla、Timbalandなど大物プロデューサーがバックアップ。
また4枚のシングルが発表され、全米チャート1位を獲得。これは意外にもBusta Rhymesのキャリア初のNo.1を獲得した作品となりました。
この機会に元ネタと併せて改めて聞いてみてはいかがでしょうか。
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