Eminem (エミネム)は全世界で2億2000万枚以上を売り上げ、音楽メディア誌ローリングストーンの「史上最も偉大なアーティスト100人」「史上最も偉大なソングライター100人」に選ばれています。
アメリカでは、2000年代に最も売れた男性アーティスト第3位にランクインし、ヒップホップをメインストリームに押し上げた1人として評価されています。
今回は、1999年に発売されたEminemのセカンドアルバム「The Slim Shady LP」から「My Name Is」(1999)をピックアップ。
この曲は名プロデューサーのDr. Dreが手がけた曲で、当初は「レズビアンをレ○プする」という過激な歌詞と、Eminemの中学時代の先生が同性愛者だったことを歌ったものでした。
しかし元ネタのLabi Siffreは、この項目を削除することを条件に、この曲のサンプリングの許可を得たようです。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Eminem – My Name Is (1999)
楽曲情報
Eminem (エミネム)
出身地 :ミシガン州デトロイト
生年月日:1972年10月17日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Web Entertainment
Interscope Records
Aftermath Entertainment
プロデューサー
Dr. Dre
元ネタ・サンプリング
Labi Siffre – I Got The… (1975)
“My Name Is” 元ネタ・サンプリング
Labi Siffre – I Got The… (1975)
元ネタになったのは、イギリス、ロンドン出身のシンガーLabi Siffreの「I Got The…」(1975)です。
この曲は、彼のアルバム「Remember My Song」(1975)に収録。
Eminemにサンプリングされたことで注目を集め、2006年にアルバムはリマスターされ再リリースされています。
Labi Siffre – I Got The… (2006 Remaster)
またEminemによって知られる前にJay-Zによってサンプリングされ、2012年にはMiguelがイントロから使用しています。
Jay-Z – Streets Is Watching (1997)
Miguel – Kaleidoscope Dream (2012)
終わりに
「My Name Is」は、彼にとって初の全米チャートにランクインし、グラミー賞で「最優秀ラップソロパフォーマンス賞」を受賞。
またアルバム「The Slim Shady LP」も「最優秀ラップアルバム賞」を受賞するなど、Eminemは全米でその名を知られるようになりました。
しかし冒頭で述べたように、元ネタのLabi Siffreが同性愛者であることをカミングアウトしており、2012年のインタビューで、この曲から性差別や同性愛嫌悪の歌詞が削除されるまで、サンプルのクリアを拒否したと明かしています。
女性をビッチと呼んだり、同性愛者をホモと呼んだり、偏見の犠牲者を呼ぶのは怠惰な文章だ。 被害者ではなく、偏見を非難する。
こうした経緯がありながら、1999年に発売されたコンピレーションアルバム「The Source Hip Hop Music Awards 1999」には、前述した問題歌詞を含むノーカット版が誤って収録されています。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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