ラップデュオPlayaz Circleのメンバーとして知られる2 Chainz (2チェインズ)は、2007年にLil Wayneをフィーチャーしたシングル「Duffle Bag Boy」でクラブヒットを記録。
2012年にはソロデビューアルバム「Based on a T.R.U. Story」をリリースし、全米チャート1位を獲得。
Drakeがゲスト参加した「No Lie」や「I’m Different」などがヒットし、グラミー賞「最優秀ラップアルバム」にノミネートされ、この年を代表するラップアルバムになりました。
その後も精力的に活動し、5枚のソロアルバムを発表し、南部ヒップホップシーンを牽引してきた1人です。
そんな彼が、約2年振りにアルバム「Dope Don’t Sell Itself」(2022)をドロップ。
全12曲収録し、Lil Durk、YoungBoy Never Broke Again、Lil Baby、Swae Lee、42 Dugg、Jacqueesなど中堅から若手アーティストが参加しています。
今回は、アルバムリリースと同時にMVが公開された「Neighbors Know My Name」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
2 Chainz – Neighbors Know My Name (2022)
楽曲情報
2 Chainz (2チェインズ)
出身地 :ジョージア州カレッジパーク
生年月日:1977年9月12日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
T.R.U.
Gamebread
Def Jam
プロデューサー
2 Chainz
Nolan Presley
FKi 1st
元ネタ・サンプリング
D4L – Laffy Taffy (2005)
“Neighbors Know My Name” 元ネタ・サンプリング
D4L – Laffy Taffy (2005)
元ネタになったのは、アトランタを拠点にしているラップグループD4Lの「Laffy Taffy」(2005)です。
彼らのデビューアルバム「Down for Life」(2005)に収録し、シングルは全米チャート1位を獲得。
チャートでの成功はダウンロード販売の増加によるところが大きく、2007年には「音楽史上最もダウンロードされた曲」としてギネス世界記録を更新しています。
またこの曲は、西アトランタのバンクヘッドが発祥とされる「スナップミュージック」を全米に広めたとされています。
これはクランクから派生したヒップホップのサブジャンルで、2000年代半ばにラップ界のトレンドとなり、同じくアトランタ出身のラップグループDem Franchize Boyzと同時にメインストリームに押し上げるきっかけとなりました。
そのグループのリーダーであるFaboが、ギネスにも認定されたこの曲が当時嫌いだったと明かしています。
実はこの曲は嫌いだったんだ。 神に誓って、あの曲は嫌いだった。 Shawty Loが刑務所から家に電話してきて「あの曲は出すな!」と言ったのを覚えている。(笑) 俺と子供たちはダンスをやっていて、こだわっていたんだけど、アトランティックのMike CarenとJohnny Cabellが「とにかくやってみよう」という感じだったんだ。
ユニークな振り付けが特徴のこの曲は、メンバーのShawty Loの反対を押し切ってリリースされたようです。
また同曲が全米チャートで1位を獲得したことについて、次のように明かしています。
いろんなラジオ局を回って、どこもかしこも俺たちが1位だったのを覚えているよ。 俺は冗談だと思ったね。 「南から来た子供をからかっただけだ」とね。 でもメッカであるニューヨークで1位になったとき「これは冗談じゃない」と思ったんだ。 ニューヨークとロサンゼルスに行った時、俺たちが愛されているのを見て、DJたちが俺たちを心から尊敬しているのを見て、何かが起こっていると思ったんだ。
終わりに
今作のMVは、本家FaboやフィメールラッパーのShawnnaがカメオ出演して、個性あふれるユニークな作品に仕上がりました。
また2021年にラッパーのTygaもサンプリングしています。
この曲の記事はこちら。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
コメント