2020年に発表したデビューEP「No Love Lost」で注目を集めたBlxst (ブラスト)は、同年にデラックスエディションをリリース。
このEPからTy Dolla $ignとTygaを迎えた「Chosen」は、TikTokでバイラルヒットとなり、1億5000万回ストリームを獲得し、YouTubeでは5000万再生を記録。
また2021年には、NasやSnoop Doggのアルバムに抜擢されたほか、ヒップホップメディア誌XXLの「Freshman Class 2021」の1人に選ばれるなど、大きくキャリアを飛躍させた年になりました。
西海岸を中心にラップシーンから期待されるBlxstが、2022年にニュープロジェクト「Before You Go」をドロップ。
今作は全13曲収録し、Maybach Music Groupの創設者で今作にゲスト参加しているRick Rossには、大きな刺激を受けたことを明かしています。
俺はアーティストとしてだけでなく、彼のような起業家を目指しているので、彼が俺と一緒に仕事をしてくれたことは、自分にとって大きな気づきになったよ。
今回はこのプロジェクトから「Every Good Girl」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Blxst – Every Good Girl (2022)
楽曲情報
Blxst (ブラスト)
出身地 :カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1995年9月17日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Red Bull Records Inc
Evegle LLC
プロデューサー
Mike & Keys
Jairus ‘J-Mo’ Mozee
元ネタ・サンプリング
LL Cool J – Around the Way Girl (1990)
Keni Burke – Risin’ to the Top (1982)
“Every Good Girl” 元ネタ・サンプリング
LL Cool J – Around the Way Girl (1990)
元ネタになったのは、ニューヨーク出身のラッパーLL Cool J (LL・クール・J)の「Around the Way Girl」(1990)です。
この曲は、彼の4枚目のアルバム「Mama Said Knock You Out」(1990)に収録し、アルバムはR&B/Hip Hopチャート2位を獲得。
そのアルバムから3枚目のシングルとなったこの曲は、全米チャート9位を記録し、LL Cool Jにとって初のトップ10入りとなりました。
またこの曲は、アルバムタイトルでシングルでもある「Mama Said Knock You Out」をプロデュースしたMarley Marlがプロデュースしており、彼について明かしています。
これはMarley Marlがプロデュースしたんだ。 俺にとってのMarleyは、ジェームス・ブラウンのバンドみたいなものなんだ。 彼はそのような感じのグルーヴを持っているよ。 この曲は、隣の家の女の子への賛歌なんだ。 俺が近所を走っていると、日常的に目にするものなんだ。
「Mama Said Knock You Out」の記事はこちら。
“Around the Way Girl” 元ネタ・サンプリング
Keni Burke – Risin’ to the Top (1982)
さらに深堀りするとLL Cool Jの「Around the Way Girl」は、イリノイ州シカゴ出身のシンガーKeni Burke (ケニー・バーク)の「Risin’ to the Top」(1982)をサンプリングしています。
彼は、シカゴのソウルグループThe Five Stairstepsのメンバーの1人で、グループ解散後にソロキャリアをスタート。
この曲は、彼の3枚目のアルバム「Changes」(1982)に収録し「Risin’ to the Top」はブラックシングルチャート63位を記録。
LL Cool Jの他に100曲以上にサンプリングされたことで、現代のブラックミュージックに大きな影響を与え、またThe Five Stairsteps以外のキャリアで最も成功した曲となりました。
Blxstが今作について語る
今回のプロジェクトについて、Blxstは「日々の経験に影響を受けた」と次のように明かしています。
旅行、家族との時間、個人的な時間の管理、自己管理など、日々の経験に影響を受けたよ。 俺が直面したことやチャレンジしたこと、そしてアーティストとしてだけでなく、経営者としての転身を遂げたことなどから、インスピレーションを得たよ。 『No Love Lost』の成功から、この1年でマインドシフトが起きたと思うよ。 それは音楽にも表れていて、確実に成長しているのがわかると思う。
この機会に、元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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