元ネタ・サンプリング LL Cool J – Mama Said Knock You Out (1990) この曲は祖母の一喝で誕生した?

1990年代
1990年代L
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LL Cool J (LL・クール・J)の1985年に発表したデビューアルバム「Radio」は、R&B/Hop Hopチャート5位を記録し、Kurtis BlowRun-D.M.C.と並んでメインストリームで成功を収めた初期のヒップホップ・アーティストの1人になりました。

それから約5年後、4枚目のアルバム「Mama Said Knock You Out」(1990)をドロップ。

前作「Walking with a Panther」(1989)がはあまり評判がよくありませんでしたが、今作がリリースされるとR&B/Hip Hopチャート2位を記録し、評論家からも高い評価を受ける作品になりました。

今回はこのアルバムから同タイトルの「Mama Said Knock You Out」(1990)をピックアップ。

この曲は10曲以上の楽曲をサンプリングし、多くのフレーズやベースが引用されています。

その中でも、ここでは2曲に絞って元ネタを解説します。

LL Cool J – Mama Said Knock You Out (1990)

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楽曲情報

LL Cool J (LL・クール・J)
出身地 :ニューヨーク
生年月日:1968年1月14日
ジャンル: Hip Hop

レーベル
Def Jam Recordings
Columbia Records

プロデューサー
Marley Marl

元ネタ・サンプリング
Sly & the Family Stone – Trip to Your Heart (1967)
Chicago Gangsters – Gangster Boogie (1975)

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“Mama Said Knock You Out” 元ネタ・サンプリング ①

Sly & the Family Stone – Trip to Your Heart (1967)

元ネタになったのは、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に活動していたバンドSly & the Family Stone (スライ&ザ・ファミリー・ストーン)Trip to Your Heart」(1967)です。

この曲は、彼らのデビューアルバム「A Whole New Thing」(1967)に収録されています。

このアルバム以降「Dance to the Music」(1968)「Everyday People」(1968)などのヒットソングをリリースし、音楽メディア誌ローリングストーンが選ぶ「史上最も偉大な100人のアーティスト」で43位に選出されています。

また彼らは、様々なジャンルの音楽を融合させた「サイケデリック・ソウル」という新しいサウンドを開拓し、その後のアメリカのファンク、ポップ、ソウル、R&B、ヒップホップなどのサウンドに大きな影響を与えています。

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“Mama Said Knock You Out” 元ネタ・サンプリング ②

Chicago Gangsters – Gangster Boogie (1975)

「Mama Said Knock You Out」は、さらにソウル、ファンクバンドのChicago Gangsters (シカゴ・ギャングスターズ)Gangster Boogie」(1975)もサンプリングしています。

彼らはグループ名とは異なり、オハイオ州出身でMcCants家の兄弟を中心に構成されています。

この曲は、彼らのデビューLP「Blind Over You」(1975)に収録。

当時は目立ったヒットになりませんしたが、1980年代以降、80曲以上のサンプリングソースとして使用されており、ヒップホップ好きなら一度は耳にしたことがあるフレーズではないでしょうか。

Apache – Gangsta Bitch (1992)

The Game feat. will.i.am – Compton (2006)

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終わりに

このアルバムのタイトルには「Mama」が入っていますが、実はLL Cool Jの祖母が、彼の前作に失望した評論家たちを「ノックアウトしろ」と言われて作ったものであることを明かしている。

これは彼の自伝に記されているもので、ギャングスタ・ラップが流行り、何人もの若いラッパーからディスられている今、自分はラッパーとして生き残れないと感じたと祖母に明かしています。

そこで祖母は

Oh baby, just knock them out!
ベイビー、彼らをノックアウトするだけよ!

と、祖母は勇ましく叱咤激励したようです。

こうした背景がある中リリースしたこのアルバムは、ローリングストーン誌が選ぶ「史上最高のアルバム500」で246位に選出。

またグラミー賞「最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス賞」を受賞し、前作の汚名を返上することになりました。

この機会に元ネタと併せて耳にしてみてはいかがでしょうか。

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