2000年代初頭ににラッパーのJay-ZやTalib Kweliの楽曲を手掛け、ヒットに繋げたことで大きく注目を集めたKanye West (カニエ・ウェスト)。
2005年にセカンドアルバム「Late Registration」を発表し、発売初週86万枚のセールスを記録。
全米チャート1位に輝き、グラミー賞では「Album of the Year」を含む8部門にノミネートされ「Best Rap Album」を受賞。
これまでにプロデューサーとして高い評価を得ていたKanye Westは、この作品でラッパーでも確固たる地位を確立しました。
今回はこのアルバムからリードシングルの「Gold Digger」をピックアップ。
この曲は “天才” とも称されているRay Charles (レイ・チャールズ)を大胆にサンプリングしています。
「Gold Digger」と併せて、元ネタを解説します。
Kanye West feat. Jamie Foxx – Gold Digger (2005)
楽曲情報
Kanye West (カニエ・ウェスト)
出身地 :イリノイ州シカゴ
生年月日:1977年6月8日
ジャンル:Hip Hop
Jamie Foxx (ジェイミー・フォックス)
出身地 :テキサス州テレル
生年月日:1967年12月13日
ジャンル:R&B
レーベル
Roc-A-Fella Records
Def Jam Recordings
プロデューサー
Kanye West
Jon Brion
元ネタ・サンプリング
Ray Charles – I Got a Woman (1954)
“Gold Digger” 元ネタ・サンプリング
Ray Charles – I Got a Woman (1954)
元ネタになったのは、ジョージア州オールバニー出身のシンガーRay Charles (レイ・チャールズ)の「I Got a Woman」(1954)です。
この曲は彼がラジオで聴いていたSouthern Tonesの「It Must Be Jesus」とBig Bill Broonzyの「Living on Easy Street」からヒントを得て制作。
音楽メディア誌Rolling Stoneによる「史上最高の500曲」に選出され、Elvis PresleyやThe Beatlesと言った著名アーティストにもカバーされています。
Elvis Presley – I Got a Woman (1956)
The Beatles – I Got a Woman (1964)
またRay Charlesこの曲から約5年後に発表した「What’d I Say」以降「Soul Music」と呼ばれるようになる曲の原型のひとつになったとも言われています。
Ray Charles – What’d I Say (1959)
終わりに
大ネタを起用したKanye Westですが、この曲は当初フィメールラッパーのShawnnaの2004年のデビューアルバム「Worth Tha Weight」の為に制作されていました。
これはアトランタにあるラッパーのLudacrisの自宅でレコーディングし、女性目線でのリリックが書かれていました。
この曲を収録しなかったShawnnaに対し、Kanye Westは無駄にしたくなかった為、男性の視点で表現した歌詞を加えてリリースに至りました。
のちにこの曲は全米チャート1位を獲得し、各音楽メディア誌で2005年ベストソングに入るなど高い評価を獲得。
グラミー賞「最優秀ラップソロパフォーマンス」を受賞するなど、この年を代表する1曲になりました。
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