2005年のデビューアルバム「The Documentary」は、発売初週に58万枚以上を売り上げ、全米チャート1位を獲得したThe Game (ザ・ゲーム)。
発売から2ヶ月で250万枚を売り上げ、2005年の年間R&B/Hip Hopアルバムチャートで5位を獲得し、この年を象徴するアルバムとなりました。
このアルバムの成功は、アメリカ東部、中西部、南部のアーティストに押され気味だった西海岸のヒップホップシーンを復活させる「原動力」となったとも言われています。
今回は、このアルバムから50 Cent (フィフティ・セント)がゲスト参加し、グラミー賞2部門にノミネートされた「Hate It or Love It」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
The Game feat. 50 Cent – Hate It or Love It (2005)
“Hate It or Love It” 楽曲情報
レーベル
Interscope Records
Aftermath Entertainment
G-Unit Records
プロデューサー
Cool & Dre
Dr. Dre
元ネタ・サンプリング
The Trammps – Rubber Band (1975)
“Hate It or Love It” 元ネタ・サンプリング情報
The Trammps – Rubber Band (1975)
元ネタになったのは、ペンシルベニア州フィラデルフィアを拠点としたディスコ、ソウルグループThe Trammps (トランプス)の「Rubber Band」(1975)です。
この曲は、Buddah Recordsからリリースされた彼らのセカンドアルバム「The Legendary Zing Album」(1975)に収録されています。
The Trammpsは、現在までに90曲以上にサンプリングされており、サンプリングソースとして注目を集め、今作の「Rubber Band」は、J Dillaがネタ使いしたほか、The Gameの「Hate It or Love It」をビートジャックしたMary J. Bligeの「MJB Da MVP」(2005)などでも使用されています。
J Dilla – Dilla Says Go (2006)
Mary J. Blige feat. 50 Cent – MJB Da MVP (2005)
曲の完成後にDr. Dreが追加でプロデュースしていた?
The Gameは「Hate It or Love It」のリリックを3番目のバースから書き始めたようで、その理由を次のように明かしています。
エスカレードの後部座席で、曲を書いていたんだ。 俺は曲を後ろから書くんだ、3番目のバースから始める。 前から後ろへ曲を書いていくと、十中八九、3番目のバースが一番弱くなる。 なぜかって?疲れているからね。だから、後ろから始めるんだ。
また、この曲はヒットメーカーCool & Dreがプロデュースしたものですが、リリース前にDr. Dreがさらに手を加えたようで「Dr. Dreが命を吹き込んだんだ…」と、これを聴いたCool & DreはDr. Dreの手腕を絶賛しています。
Dr. Dreが最高に素晴らしいミックスをしてくれたんだ。 音質的な違いはあったけど、曲自体は同じだったんだ。 俺の記憶では、フックの最後にバースに入るストリングスが加えられていたんだよね。 Dr. Drが命を吹き込んだんだ。 ミキサーとしての彼は最高の資質を持ってると思うよ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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