元ネタ・サンプリング YNW BSlime feat. YNW Melly – Dying For You (2019) 若干12歳のラッパーがミックステープをリリース！

「Young Ni**a World」または「Young New Wave」の頭文字をとって名付けられたラップ集団 “YNW” の中心人物であるYNW Melly。

Kanye Westとの「Mixed Personalities」(2019)や「Suicidal」(2019)がヒットしたことで、一躍知名度を広めることになりました。

そんな彼の弟であるYNW BSlimeもラッパーとしてキャリアーをスタートさせ、2019年にミックステープ「BABY GOAT」をドロップ。

リリース当時は12歳と若いものの、収録曲の「Slime Dreams」はYouTubeで2000万回を超えるヒットとなりました。

今回ピックアップする「Dying For You」もこの作品に収録され、Ella Maiをサンプリングしたことでも話題になっています。

ミックステープと併せて解説していきます。

楽曲情報
元ネタ・サンプリング
ミックステープ “BABY GOAT”
終わりに

楽曲情報

YNW BSlime
出身地　：フロリダ州ギーフォード
生年月日：2007年4月10日
ジャンル：Hip Hop
兄　　　：YNW Melly

YNW Melly
出身地　：フロリダ州ギーフォード
生年月日：1999年5月1日
ジャンル：Hip Hop
弟　　　：YNW BSlime

プロデューサー
SMKEXCLSV

元ネタ・サンプリング
Ella Mai – Trip (2018)

YNW BSlime feat. YNW Melly – Dying For You (2019)

元ネタ・サンプリング

Ella Mai – Trip (2018)

元ネタとなったのはイギリス、ロンドン出身のR&BシンガーElla Maiの「Trip」(2018)です。

彼女のデビューアルバムからセカンドシングルとしてリリースされ、全米Rhythmicチャート1位を獲得。

Ella Maiのキャリアで初の1位に輝き、MVはYouTubeで1億回再生を突破するヒットとなりました。

またこの曲は若手R&BシンガーのJacqueesがRemixをリリース。YouTubeとSoundCloudで数百万回のストリームを獲得し、人気を博しました。

しかしその後、両プラットフォームから削除されています。

これはElla Maiの所属するレーベルのボスであり、この曲のプロデューサーでもあるMustardが “JacqueesがRemixを収益化しようとした” と主張し、レーベルから盗んだと非難しています。

しかし何者かが、再びYouTubeにアップロードし、4000万回以上の再生を記録しています。

Jacquees – Trip (2018)

ミックステープ “BABY GOAT”

この作品は全13曲収録され、客演には兄のYNW MellyとLil Tjayのみとコンパクトな内容に仕上がっています。

また先行で発表していたシングル「Just Want You」はYouTubeで1900万回以上再生されるヒット曲となりました。

YNW BSlime – Just Want You (2019)

声変わりする前の、ハイトーンボイスから繰り出されるメロディアスなラップが爽やかなビートにマッチしたナンバーとなりました。

この曲についてYNW BSlimeは兄にリリックを書いてもらわずに自分で書いたと主張しています。

スタジオでビートを選び、そのビートに乗って少しフリースタイルをして、フリースタイルの中からメロディーを選んで、その上に歌詞を書くという流れだよ。

兄貴は俺のリリックを書いてないよ、自分で書いたんだ。

またレコーディングまでの経緯も明かし

New Eraというスタジオに行ったんだけど、俺の兄やみんなが来てくれたんだ。

彼らは「おい、BSlime、早くフリースタイルをやってくれ」と言ってきたので、やってみたら「Bro, you hard」と言われたので、「ただ遊んでいただけだよ」と言ったよ。

彼らは「いやお前は本当に真剣に取り組むべきだ」と言い、俺は「わかった」と言ったんだ。

母は、最初は俺が若すぎたので、少し成長しなければならないと言ったけど、それよりも、マネージャーとじっくり話をして

「俺は本当にこれをやりたいだよ」と言うと、彼は「本当にいいのか？これをやってしまうと、バスケをしたり、ダンクをして認められたりといったことができなくなってしまうよ」

そして俺は 「ああ、やりたいよ」と思ったんだ。

若干12歳ながら自分の好きなことを犠牲にしたことで、覚悟を決めてラッパーとしての道を選んだように思えますね。