80年代からラッパーとして活動し、西海岸Hip Hopの発展に大きく貢献してきたIce Cube (アイス・キューブ)。
彼の6枚目のアルバム「War & Peace Vol. 2」(2000)は1998年に発表された「War & Peace Vol. 1」の続編となっています。
そのアルバムから「Until We Rich」はセカンドシングルとしてリリース。
大ネタ使いでもあるこの曲と、アルバムを併せて解説していきます。
楽曲情報
Ice Cube (アイス・キューブ)
出身地 : カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1969年6月15日
ジャンル:Hip Hop
所属 :N.W.A., Westside Connection
Krayzie Bone (クレイジー・ボーン)
出身地 :オハイオ州クリーブランド
生年月日:1973年6月17日
ジャンル:Hip Hop, R&B
所属 :Bone Thugs-n-Harmony
レーベル
Priority Records
Lench Mob Records
プロデューサー
Chucky Thompson
Kevin Veney
Rich Nice
Loren Hill
元ネタ・サンプリング
Glenn Jones – Show Me (1984)
Ice Cube feat. Krayzie Bone – Until We Rich (2000)
元ネタ・サンプリング
Glenn Jones – Show Me (1984)
元ネタとなったのは、フロリダ州ジャクソンビル出身のシンガーGlenn Jonesが発表した「Show Me」(1984)
彼のセカンドアルバム「Finesse」からシングルとしてリリースされ、アルバムはR&Bソング・チャートで3位にランクイン。
AZの「How Ya Livin’」(1998)や、Big Pokeyの「We Holdin」(2008)でも「Until We Rich」と同じようにサンプリングされています。
AZ feat. Nas – How Ya Livin’ (1998)
Big Pokey feat. E.S.G. – We Holdin (2008)
アルバム “War & Peace Vol. 2”
アルバムは全17曲収録され、リードシングルの「You Can Do It」は、コメディー映画「Next Friday」や映画「Save the Last Dance」のサントラにも収録。
Ice Cube feat. Mack 10 & Ms. Toi – You Can Do It (1999)
またサードシングルの「Hello」はDr. Dreがプロデュースし、MC Renが参加。
N.W.A.を彷彿させるメンバーで昔から知るファンは胸が熱くなりますね。
Ice Cube feat. Dr. Dre & MC Ren – Hello (2000)
Ice Cubeの代表曲も収録され、注目を集めたアルバムは全米チャート3位、R&B/Hip Hopチャート1位に輝いた作品となりました。
Until We Rich
客演にはラップグループ “Bone Thugs-n-Harmony” に所属しているKrayzie Bone (クレイジー・ボーン)を迎えています。
彼も1999年にソロデビューを果たし、アルバム「Thug Mentality 1999」は全米チャート4位にランクイン。
収録曲の「Paper」やMariah Careyとの「I Still Believe」は今も色褪せない名曲ですね。
Krayzie Bone – Paper (1999)
Krayzie Bone feat. Mariah Carey – I Still Believe (1999)
Krayzie Boneとタッグを組んだこの曲は、彼らがリスナーの気持ちを後押ししてくれる讃歌となっており
「ミッションは自分が持っていないものを手に入れることだ」
「金持ちになってトップに立つまで」
「君はそれを手に入れるべきだ、それは君のものだ」
とサビではラップしています。また同時に健康の大切さを語っています。
「テレビを見ている小さな仲間たちへ」
「俺のようなO.G.になろうとしているのが見える」
「夢を追いかけ、富を求めて策を練る」
「しかし、人生で最高のものは健康であり、君自身がプレイヤーであることだ」
リリシストとも言われるIce Cubeの歌詞は、ギャングスタラップとは異なり “彼の教え” が詰まっているように思えますね。
終わりに
Ice Cubeの「Until We Rich」はいかがでしたでしょうか。
元ネタのビートを崩すことなくそのまま使い、彼の教えが詰まったラップが印象的な楽曲となっています。
またKrayzie Boneの柔らかなラップもマッチしていて心地よいですね。
この機会に元ネタ、Krayzie Boneの楽曲も併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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