2002年にデビューアルバム「All I Have」をリリースしたほか、映画に出演するなど、マルチな才能で魅了するAmerie (エイメリー)。
2005年のセカンドアルバム「Touch」は、全米チャート5位を記録し、グラミー賞では「ベストコンテンポラリーR&Bアルバム賞」を含む2部門にノミネートされるなど、数々の賞賛を浴びました。
今回は、このアルバムからリードシングルの「1 Thing」(2005)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタとリリースに至るまでを解説します。
Amerie – 1 Thing (2005)
“1 Thing” 楽曲情報
レーベル
Columbia Records
プロデューサー
Rich Harrison
元ネタ・サンプリング
The Meters – Oh, Calcutta! (1969)
“1 Thing” 元ネタ・サンプリング情報
The Meters – Oh, Calcutta! (1969)
元ネタになったのは、ニューオーリンズで結成されたファンクバンドThe Meters (ミーターズ)の「Oh, Calcutta!」(1969)です。
この曲は、彼らのセカンドアルバム「Look-Ka Py Py」(1969)に収録。
その後、ローリング・ストーン誌の「史上最高のアルバム500」でインストゥルメンタルのアルバムの最高位に選ばれ、The Metersの曲はこれまでに500曲以上でサンプリングされており、現代の音楽シーンに影響を与えているファンクバンドです。
大ヒットの裏で、当初はレーベルがリリースを認めなかった?
Amerieの「1 Thing」は、全米チャート5位を記録し、グラミー賞「最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞」にノミネートされるなど、彼女のこれまでのキャリアで最大のヒットとなりました。
しかし、その裏ではこの曲をリリースするまでの道のりが長く、レーベル側から何度も断られていたようです。
彼女のレーベルであるColumbia Recordsの幹部は、この曲を快く思っておらず、プロデューサーのRich HarrisonとAmerieは何度もスタジオに戻って曲を作り直しましたが、レーベルに新しいバージョンを提出するたびにリリースを拒否されていたようです。
「1 Thing」のレコーディングから6ヶ月後、AmerieとRich Harrisonはついにこの曲をアメリカのラジオ局にリークし、DJやリスナーからの反応は上々で、結果的に全米でオンエアされることになりました。
Columbia Recordsは、この曲が非公式なリリースであり、レーベルメイトのJennifer Lopezが自身のアルバム「Rebirth」に収録することに興味を示しているため、この曲をラジオ局での自粛を訴えました。
しかし、ラジオ局はプレイリストから曲を外すことを拒否し、最終的にColumbia Recordsは「1 Thing」をシングルとして了承し、一方でJennifer Lopezは、Rich Harrisonがプロデュースのシングル「Get Right」をアルバムに収録することで、この一件は落ち着いたようです。
Jennifer Lopezの「Get Right」は、Usherの曲であったことでも知られており、この件に関しては以下の記事で扱っています。
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