Beyoncé (ビヨンセ)6月の夏至に合わせてリリースした2022年初のシングル「BREAK MY SOUL」は、全米チャート4位、世界10ヵ国のチャートでもトップ10入りを果たすヒットとなりました。
「BREAK MY SOUL」の元ネタはこちら。
そんな彼女が、2016年のアルバム「Lemonade」以来、Beyoncéのキャリアで最もリリース間隔が長い6年振りのアルバム「RENAISSANCE」(2022)をドロップ。
彼女は今作のリリースに際して、COVID-19が流行した過去3年間にレコーディングした3部作のプロジェクトの第1部であること、またBeyoncéの叔父に捧げる作品であることを明らかにしています。
今回は、このアルバムからヒットメーカーSkrillex、NOVA WAVなどが手掛けた「ENERGY」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Beyoncé feat. BEAM – ENERGY (2022)
楽曲情報
Beyoncé (ビヨンセ)
出身地 :テキサス州ヒューストン
生年月日:1981年9月4日
ジャンル:R&B
BEAM
出身地 :フロリダ州ウェストン
生年月日:1995年
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Columbia Records
プロデューサー
Skrillex
Al Cres
BEAM
Beyoncé
NOVA WAV
元ネタ・サンプリング
Kelis – Milkshake (2003)
“ENERGY” 元ネタ・サンプリング
Kelis – Milkshake (2003)
元ネタになったのは、ニューヨーク出身のシンガーKelis (ケリス)の「Milkshake」(2003)です。
この曲は、彼女の3枚目のアルバム「Tasty」(2003)に収録し、当時の恋人Nasもゲスト参加してR&B/Hip Hopチャート7位を記録。
「Milkshake」は、アルバムからリードシングルとしてリリースされ、これまでの彼女のキャリアで最高順位となる全米チャート3位を記録し、グラミー賞「ベストアーバン/オルタナティヴパフォーマンス」部門にノミネートされています。
彼女の代表曲のひとつとなりましたが、元々はBritney Spearsのアルバム「In the Zone」のために提供されましたが断られたため、プロデュースしたThe NeptunesがKelisに提供したようです。
サンプリングされたKelisが怒りを露わにする
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Kelisは、Beyoncéが「ENERGY」で自分の曲をサンプリングしたことについて、事前に知らされていなかったことを批判し、SNSでは『窃盗』行為とまで発言しています。
コラボじゃなくて窃盗よ。 この3人の関係者の無礼さと無知さには驚かされるわ... 私も他の人と同じようにこのことを聞いたの。 このビジネスには魂も誠実さもない人たちがいて、みんなを騙しているんだわ。
前述の通り「Milkshake」のプロデューサーとして正式にクレジットされているのは、The NeptunesことPharrell WilliamsとChad Hugoで、Kelisはあくまで『パフォーマー』としてしか記載されていません。
また、Kelisは以前にもThe Neptunesとの楽曲について、正式なクレジットや報酬が与えられていないとを主張しており、彼らとの関係にも亀裂が入っているようです。
しかし今回は、怒りの矛先がBeyoncéに向けられ「難しいことじゃない。彼女は私に連絡できるでしょ? それが一般的な良識よ」と怒りを露わにしています。
というのも、結局のところ、彼女はレコードをサンプリングしたのだから。 彼女は以前から私をコピーしていたし、他の多くのアーティストもそうしてきたわ。 でも、この業界には誰かがもう十分だと言うまで笑顔でやり過ごすヤツや秘密主義者、ギャングスターがいるわ。 だから、私は今日それを言っている。 私のものを取り返しに来たんだ、賠償金を払え。
これを知ったBeyoncé側は、すべてのストリーミングサービスで「Milkshake」のサンプリングを削除し、トラックを更新しています。
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