Fugees (フージーズ)が1996年に発表した2枚目にして最後のアルバム「The Score」は、全米チャート1位、R&B/Hip-hopチャートで8週間首位を獲得し、この年に3番目に売れたアルバムとなりました。
このアルバムは、ラップグループとして初めてグラミー賞「最優秀アルバム賞」にノミネートされたほか「最優秀ラップアルバム賞」を受賞し、多くのメディアや評論家から「1990年代のベストアルバムの1つ」に挙げられ、ローリングストーン誌の「史上最高のアルバム500選」にも選出されています。
今回は、このアルバムからリードシングルの「Fu-Gee-La」(1995)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Fugees – Fu-Gee-La (1995)
“Fu-Gee-La” 楽曲情報
レーベル
Ruffhouse Records
Columbia Records
プロデューサー
Salaam Remi
元ネタ・サンプリング
Teena Marie – Ooo La La La (1988)
“Fu-Gee-La” 元ネタ・サンプリング情報
Teena Marie – Ooo La La La (1988)
元ネタになったのは、カリフォルニア州サンモニカ出身のシンガーTeena Marie (ティーナ・マリー)の「Ooo La La La」(1988)です。
彼女の8枚目のアルバム「Naked to the World」(1988)に収録され、リードシングルとなったこの曲はR&Bチャート1位を獲得。
これまでのキャリアで、グラミー賞に3度ノミネートされ、R&Bやソウルミュージック界大きな功績を残しましたが、それから15年以上経った2004年、ホテルの部屋で寝ていたTeena Marieの頭に大きな額縁が落ちてきてぶつかり、脳震盪を起こします。
これが原因で、以降発作を起こすようになり、2010年12月26日午後、Teena Marieは自宅で亡くなっているところを娘に発見され、検視官によって検死されましたが、明らかな外傷や死因を特定できるものはなく、自然死と判断されました。
彼女は死の1ヶ月前に、全身強直間代発作(意識喪失を含む痙攣性発作)を患っていたようで、これが原因とも考えられています。
“Fu-Gee-La” の制作について明かす
「Fu-Gee-La」は、全米チャート29位、R&B/Hip Hopチャート13位となり、意外にもFugeesのキャリアで最高位となりました。
また、この曲をプロデュースしたSalaam Remiは、当初この曲を映画のために制作し、アルバム「The Score」がこの曲に基づいて作られたことを明かしています。
スパイク・リーの映画「Clockers」のために曲を作っていたんだけど、実はその曲は公開されなかったんだ。 それで「Clockers」のために作った曲を持っていて、そのセッション中にWyclefが「Fat Joeのために作ったビートをかけてくれ!」って言ったんだ。 Laurynも「Fat Joeのビートをかけて」って言って、流したらClefが飛び上がって「Fu-Gee-La」の最初のバースを歌いだしたんだ。 あの曲は実は「The Score」より前にできていて「The Score」の雰囲気の多くはあの曲がベースになっているんだ。
この機会に、元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
関連記事はこちら
コメント