デスチャの愛称で、日本でも広く親しまれているDestiny’s Child (デスティニーズ・チャイルド)。
2001年にリリースしたアルバム「Survivor」は、発売初週に66万以上のセールスを記録し、全米チャート1位を獲得。
アメリカで470万枚、全世界では1200万枚以上のセールスを記録しており、グラミー賞では2部門にノミネートされた大ヒットアルバムとなりました。
グループは世界的にその名を広めることになりましたが、メンバーはソロ活動を始める為に、活動休止を発表。
約3年後に再結成し、カムバック作でありグループ最後のアルバム「Destiny Fulfilled」(2004)をドロップ。
このアルバムからは「Lose My Breath」や「Soldier」などがヒットし、世界4大陸でツアーを経て翌年にグループは解散しました。
今回はこのアルバムからスローナンバーの「Girl」をピックアップ。
Jay-Z、Kendrick Lamarを手掛ける9th Wonderがプロデュースしたこの曲の元ネタを解説します。
Destiny’s Child – Girl (2004)
楽曲情報
Destiny’s Child (デスティニーズ・チャイルド)
結成 :1990年
ジャンル:R&B
メンバー:Beyoncé, Kelly Rowland, Michelle Williams
レーベル
Columbia Records
プロデューサー
9th Wonder
元ネタ・サンプリング
The Dramatics – Ocean Of Thoughts and Dreams (1977)
“Girl” 元ネタ・サンプリング
The Dramatics – Ocean Of Thoughts and Dreams (1977)
元ネタになったのは、ミシガン州デトロイトで結成したソウルグループThe Dramaticsの「Ocean Of Thoughts and Dreams」(1977)です。
この曲は、彼らのアルバム「Shake It Well」(1977)に収録し、同タイトルのシングル「Shake It Well」と「Ocean Of Thoughts and Dreams」はR&Bチャートトップ20に入るヒット曲となりました。
またグループは70年代を通じてヒット曲をリリースし続け、1971年の「In The Rain」は、90曲以上にサンプリングされるなど、人気のサンプリングソースとなっています。
The Dramatics – In The Rain (1971)
終わりに
「Girl」を手掛けた9th Wonderは、Jay-ZからDestiny’s Childに楽曲提供をしてほしいと頼まれたことを明かしています。
これは、9th WonderがJay-Zのアルバム「The Black Album」(2003)のレコーディングスタジオで、初めてBeyoncéと出会ったことから始まります。
その後9th WonderがJay-Zに渡していたビートをBeyoncéは「彼から聞いたものが気に入った」と口にしたところ、数ヵ月後にはJay-Zから「Destiny’s Childにビートを渡してほしい」と連絡があったようです。
9th Wonderは、Jay-Zに頼まれたことに驚き、またDestiny’s ChildのCDすら持っていなかったとも明かしています。
最終的に「Girl」「Is She The Reason」※「Game Over」を3日間のセッションでレコーディングし、全曲がこのアルバムに収録されることになりました。
※インターナショナル盤に収録
この機会に、こんな意外なストーリーを持つこの曲と、元ネタを併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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