90年代、2000年代と数多くのヒット曲をリリースし、独特のラップスタイルとキャラクターでその地位を築いたDMX (ディーエムエックス)。
2000年代に入ってからは、薬物中毒の治療の為にリハビリしていましたが、2021年4月2日に薬物の過剰摂取の疑いで心臓発作を起こし入院。
昏睡状態のため生命維持装置につながれていましたが、脳と肺の機能不全で植物人間の状態となっていました。
その後4月9日に肝臓、腎臓、肺など複数の臓器の機能が止まったことで、50歳の若さでこの世を去っています。
そんなDMXの血気盛んな時期に発表した「Slippin’」を今回はピックアップ。
元ネタとアルバムについても解説していきます。
楽曲情報
DMX (ディーエムエックス)
出身地 :ニューヨーク、ヨンカーズ
生年月日:1970年12月18日
ジャンル:Hip Hop
没年月日:2021年4月9日 (50歳)
レーベル
Ruff Ryders
Def Jam Recordings
プロデューサー
DJ Shok
元ネタ・サンプリング
Grover Washington Jr. – Moonstreams (1975)
DMX – Slippin’ (1998)
元ネタ・サンプリング
Grover Washington Jr. – Moonstreams (1975)
元ネタとなったのはJazz、サックス奏者Grover Washington Jr.の「Moonstreams」(1975)です。
George Benson、Herb Alpert、Bob Jamesなどと共に “Smooth Jazz” というジャンルを確立した人物として知られています。
今も語り継がれる名曲Bill Withersの「Just the Two of Us」でコラボレーションし、Patti LaBelleやPhyllis Hymanなどのアーティストとも共演することも多かったGrover Washington Jr.。
Bill Withers – Just the Two of Us (1980)
数々の功績を残した彼は1999年に心臓発作を起こし、56歳の若さでこの世を去りました。
また出身地であるバッファローには彼のアートが描かれ、オーディエンスからも愛される存在であったことが汲み取れます。
アルバム “Flesh of My Flesh, Blood of My Blood”
DMXの2枚目のアルバムとなった今作は、前作の「It’s Dark and Hell Is Hot」から約7ヶ月後にリリースされ、発売初週に67万枚を超えるセールスを記録。
全米チャート1位に輝き、同年に発表された2枚のアルバムが全米チャート1位を記録するのは、2Pac以来の快挙となりました。
アルバムは全16曲収録されエグゼクティブプロデューサーには盟友のSwizz Beatzが務めています。
また客演にはJay-Z、Mary J. Bligeの他に、Swizz BeatzやThe LOXなどRuff Rydersの面々も参加。
作品からは疾走感溢れたビートにDMX節が炸裂し、同じくRuff RydersのDrag-Onも負けじと応戦する「No Love 4 Me」がセカンドシングルとなりました。
DMX feat. Drag-On – No Love 4 Me (1998)
終わりに
DMXの「Slippin’」はいかがでしたでしょうか。
アルバム「Flesh of My Flesh, Blood of My Blood」から目玉曲でもあり、彼を代表するナンバーにもなりました。
この機会にアルバムと元ネタを併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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