2010年代にヒット作を連発し、これまでにグラミー賞を13回受賞、Billboard Music Awardsでは5回受賞するなど一躍ラップスターの仲間入りとなったKendrick Lamar (ケンドリック・ラマー)。
今回は彼のメジャーデビューアルバム「Good Kid, M.A.A.D City」(2012)から「Bitch, Don’t Kill My Vibe」をピックアップ。
この曲は元々Lagy Gagaが参加予定だったものの、リリースには至りませんでした。
しかし後にラップ界の重鎮Jay-ZがRemixするなど、非常に注目が集まる作品となりました。
元ネタと併せて解説していきます。
楽曲情報
Kendrick Lamar (ケンドリック・ラマー)
出身地 :カリフォルニア州コンプトン
生年月日:1987年6月17日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Aftermath Entertainment
Interscope Records
Top Dawg Entertainment
プロデューサー
Sounwave
元ネタ・サンプリング
Boom Clap Bachelors – Tiden Flyver (2008)
Kendrick Lamar – Bitch, Don’t Kill My Vibe (2012)
元ネタ・サンプリング
Boom Clap Bachelors – Tiden Flyver (2008)
元ネタとなったのはデンマーク、コペンハーゲンで結成されたプロデューサー、DJ集団のBoom Clap Bachelorsの「Tiden Flyver」(2008)です。
彼らのアルバム「Kort Før Dine Læber」に収録され、Kendrick Lamarがサンプリングしたことによって一躍世に知られることになりました。
また「Bitch, Don’t Kill My Vibe」で使用される前年に、Logicの「Addiction」でもサンプリングされています。
Logic – Addiction (2011)
余談ですがこの曲ではPimp Cの「Knockin Doorz Down」をサンプリングしています。
Pimp C feat. Lil’ Keke & P.O.P – Knockin Doorz Down (2006)
Bitch, Don’t Kill My Vibe
この曲は、世界的ポップスターのLady Gagaが参加予定だったと明らかになっています。
Lady Gaga自身もSNSで参加を表明していたものの、作品のプレオーダーに間に合わなかったためお蔵入りとなってしまいました。
この一件についてKendrick Lamarが次のように明かしています。
Lady Gagaがこの曲に参加する予定だったよ。日程は決まっていたけど、予約開始日の締め切りに間に合わせなければならなかったんだ。 でもこれはビジネスの世界ではよくあることなんだけどね。それは神様の計画なんだよね。 何か特別なものがあると思っているから、あまり気にしていないよ。
オフィスリリースは流れてしまったものの、Lady Gagaがコーラスを担当したバージョンをリリース。
これにはKendrick Lamarも驚きを隠せない様子を語っています。
彼女がその曲を出すことになるとは知らなかったよ。あれはサプライズだったよ。 お蔵入りになるのかと思った。かっこよかったね。 遊びではなく、スタジオでレコーディングしたときのバイブレーションが伝わってきたね。 彼女が未完成の状態でそれを発表したことは、とても重要なことだよ。 つまり彼女は自分の作品だけでなく、俺の作品にも自信を持っているということだね。
Kendrick Lamar feat. Lady Gaga – Bitch, Don’t Kill My Vibe (2012)
Lady Gagaのプロ根性にリスペクトしている様子も伺えますね。
またアルバム「Good Kid, M.A.A.D City」は後にデラックスエディションを発表。
この作品からJay-ZをフィーチャーしたRemixや、イギリスのシンガーEmeli SandeのRemixも収められています。
Kendrick Lamar feat. Jay-Z – Bitch Don’t Kill My Vibe Remix (2013)
Kendrick Lamar feat. Emeli Sande – Bitch Don’t Kill My Vibe Remix (2013)
終わりに
Kendrick Lamarの「Bitch, Don’t Kill My Vibe」はいかがでしたでしょうか。
Lady Gagaとオフィシャルリリースには至りませんでしたが、彼女がサプライズリリースしたことでKendrick Lamarには印象深いナンバーになったことでしょう。
この機会に彼の初々しいデビュー作を改めて聞いてみてはいかがでしょうか。
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