dvsnが物議を醸したシングル「If I Get Caught」について弁明する

2020年代
2020年代D
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Drake率いるレーベルOVO Soundに所属し、シンガーDaniel DaleyとプロデューサーのNineteen85からなるR&Bデュオのdvsn (ディヴィジョン)

2020年には、Summer WalkerJessie ReyezSnoh Aalegraといった若手女性シンガーを起用したアルバム3枚目のアルバム「A Muse in Her Feelings」をリリース。
収録曲の元ネタはこちら。
「A Muse」
「Use Somebody」
「Between Us」

翌年には、Ty Dolla $ignとコラボアルバム「Cheers to the Best Memories」(2021)を発表し、彼らのハーモニーで多くのR&Bファンを魅了しました。
収録曲の元ネタはこちら。
「Memories」

そんな彼らが、2022年7月に名プロデューサーJermaine DupriBryan-Michael Coxが手掛けたシングル「If I Get Caught」を発表しましたが、リリース直後から歌詞の内容についてSNSを中心に多くの批判を浴びました。

ここでは、この曲とdvsnの制作意図について解説します。

dvsn – If I Get Caught (2022)

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楽曲情報

dvsn (ディヴィジョン)
結成  :2015年
ジャンル:R&B
メンバー:Daniel Daley, Nineteen85

レーベル
OVO Sound

プロデューサー
Jermaine Dupri
Nineteen85
Bryan-Michael Cox

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なぜここまで大きく問題になったのか?

JAY-Zのヒット曲「Song Cry」(2001)をサンプリングしたこの曲は、不倫をテーマに、一度の異性との不注意(浮気)が、パートナーとの関係を終わらせる理由にはならないことを訴えているように感じます。

その中でもサビで「もし浮気がバレても、君を愛していないわけではない」と男性コーラスで合唱されており、TwitterやSNSでは多くの意見が寄せられました。

その中には、サウスカロライナ州の元下院議員で、現在CNNの政治アナリストのバカリ・セラーズ氏も反応しており「#DVSNを聴いて、ビデオを見た人はいるかな?彼らは毒々しいバンガーだと思う😂」とTwitterに投稿。

YouTubeで公開されたこのMVには、彼らを批判・擁護するコメントが約4000件寄せられ、商業的には成功をしたものの、炎上する形となりました。

またサンプリングされたJAY-Zも、プロデューサーのJermaine Dupriに「この曲は毒がある」とDMを送り、JAY-Zは「この曲は間違っていると言ったと、責任を放棄する注意書きが欲しいだけだ!」と続け、JAY-Zが制作に関わっていないことを公表するように伝えたようです。

そのため、dvsnは同曲のリリースと同時にこのDMのスクリーンショットを自身のSNSに投稿し、キャプションには「JAY-Zのサンプルをクリアしてくれた@jermainedupriに感謝する、それとJAY、それは毒じゃなくて正直なんだ!」と付け加えています。

 
 
 
 
 
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炎上するも、時間が経てば解釈が変わると語る

SNSで大きな論争を巻き起こしたことについて、dvsnのメンバーDaniel Daleyは、オーディエンスの解釈は時間が経てば変わるとして、あまり深刻には考えていないようです。

ソーシャルメディアやツイッターの素晴らしいところは…時間が経つにつれて、すべてが見通せるようになることだね。
1つのことに一生懸命になった人が、1日、2日、1週間と経つうちに変わっていくのをいつも見ているよ。
今、彼らは全く逆のことを言っているね。
だから、何事もそんなに深刻に考えなくていいんだと気づかせてくれるんだ。
最初のうちは、ショックを受けた人、きっかけになった人...題材になったものに影響された人が多かったと思うんだけど、日が経つにつれて「嘘じゃない、いい曲だ」って。
それか「キャッチーだ」「この人、本当のこと言ってるんだ」って、そんな風に物語が変化していくのを見るのは、何事も深刻に考えず、楽しもうという気持ちにさせてくれるね。

パートナーありプロデューサーのNineteen85も彼と共感しており、深刻に捉えてないことを語っています。

俺らが正直で、悪く見られることを気にして何かをしたことがあるかどうかはわからない。
だって、俺たちは正直な真実は正直な真実だね。
でも今の状況は、みんながすぐに意見を発したり、すぐに反応することを強いられていると感じるね。
時間が経つにつれて、この曲と一緒に生活している人たちを見ると、多くの会話が「dvsnがこういうことを言うのはありがたい、こういう会話が必要なんだ」みたいな評価に変わってきている気がする。
リリース当初は「こいつらがこんなことをするなんて信じられない、ずっとトラディショナルR&Bは彼らが代表するものだと思っていたけど、今はまるで違う方向に行ってしまったような…」って感じだった。
でも、そのショックが過ぎ去った後は、多くのみんなが俺たちがこの道を選んだという事実に敬意を表してくれたと思うよ。
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「浮気は何よりもエゴなんだ・・・」曲について解説する

前述したように、曲中では浮気を推奨しているようなリリックが見られますが、それについてDaniel Daleyはこれを否定し「浮気は何よりもエゴだ」と女性側が不安に思うことを歌にしていると語っています。

まだみんながこの曲を完全に消化しているかどうかもわからないけど。
本当に俺が言っているのは、この詩の中の関係で、パートナーが今不安で、俺が何かしているかもしれないと感じていること。
彼女は、俺がやってはいけないことを外でやっている可能性があると思っているんだ。
だから、こんな不安に感じている女性がいるんだ、と思いで取り上げているんだ。
浮気は起きていないことを説明する立場から話していたけど、たとえ仮にあったとしても、恋に落ちたからではないんだ。
多くの人が、浮気は何よりもエゴだということに気づいていない。
自分のエゴを押し通すためというか。
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曲に込められた想いとは・・・

最後にDaniel Daleyは、この曲に込めた思いと、現在の人間関係について「コミュニケーションラインを開くものになればいいなと思っているよ」と語っています。

みんなが思っているような、お互いに伝えられないようなことを言えるような、コミュニケーションラインを開くものになればいいなと思っているよ。
この曲は、カルチャーに影響を与えているんだ。
今日、何人かの女性が「あなたたちのほとんどは、こんな風に話すべきじゃない。浮気するほどアソコもないくせに」って。
待て、何?これぞ毒舌って。
「浮気は金持ちのすることだ」とか「DVSNでないなら、そう思うべきでない」と言うだろう。
すると女の子は「彼の言っていること、すごくわかるわ。今、彼が言ったことは完全に現実のことだったんだ」って。
今、俺たちは人間関係についてひどい状態にあると思うから、これがコミュニケーションの糸口になって、どこか良い方向に向かうといいんだけど。
俺たちの多くが、人間関係から本当に得たいものを得ているとは思えないんだ。
言われたものを得ているか、また別の物を得ているか、インスタグラムに良く見えるものを得ているか、親が好きだったものを得ているか。
俺たちは人間関係を最大限に活用できていないんだ。
みんなには、本当に得たいものを得られることを望んでいるよ。
俺自身、そうありたいと思っているよ。

正統派R&Bデュオとして、多くのファンを獲得し続けてきた彼らは、今回の一件にも動じず、10月にはこの曲を収録したアルバム「Working On My Karma」をリリースしています。

彼らのアルバムと併せて、この曲を聴いてみてはいかがでしょうか。

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