R&Bデュオdvsn (ディヴィジョン)が2年振りとなる4枚目のアルバム「Working On My Karma」(2022)をドロップ。
このアルバムには、ネット上で物議を醸した「If I Get Caught」を含む全12曲収録されており、BLEU、Jagged Edgeがゲスト参加しています。
また、このアルバムのエグゼクティブプロデューサーには、数々のヒット曲を生み出してきた名プロデューサーJermaine Dupri、Bryan-Michael Coxを迎え、そして数々のクラブヒットを生み出してきたBoi-1da、さらにベテランプロデューサー、Manuel Sealも楽曲提供しています。
「Working On My Karma」トラックリスト
- Last Time (feat. BLEU)
- Bring It
- If I Get Caught
- Stay Faithful
- What’s Up (feat. Jagged Edge)
- Don’t Take Your Love
- Hatin
- Policy
- Take It Slow
- Daniel’s Interlude
- Tired
- Get Even
Jermaine Dupriとの出会い、制作について語る
エグゼクティブプロデューサーのJermaine Dupri、Bryan-Michael Coxがアルバムの半分以上を手掛けており、dvsnは2021年にアトランタに拠点を置くLove Runaissance(LVRN)とマネジメント契約を結び、これがコラボレーションのきっかけとなったようです。
LVRNは、Jermaine Dupriとの間に入って彼らをリンクさせ、Jermaine Dupriと意気投合したとdvsnのメンバーDaniel Daleyが明かしています。
彼らは、もしかしたらJermaine Dupriと一緒にセッションができるかもしれないと思ってセッティングしてくれたんだ。 俺とJermaineとのセッションは、1週間ほどで兄弟関係になったんだ。 すぐに意気投合して、曲を作り始めたんだ。 それで俺はNineteen(dvsn)に電話して「よう、来てくれ。これはすごいぞ」って。 だから、素晴らしいことなんだ。 彼は家もスタジオも心も開放してくれて、それがどう作用するかを教えてくれた。 彼はとても面白い人なんだ。 すごく才能があるけど、彼の天才的なレベルに対して、そのシンプルさが異常なんだ。
dvsn – Don’t Take Your Love (Pro. Nineteen85, Jermaine Dupri & Antoine Harris Jr.)
一方、dvsnのメンバーであるNineteen85は、大物プロデューサーと組むことに不安を感じていましたが、曲を作っていくうちに、彼らの意識の高さに引き込まれていったとようです。
最初は正直言って、スーパーメガ級のプロデューサーと一緒にやっていけるか不安だったんだけど、彼はすごく楽にしてくれたし、一緒にやっていく中で学んでいったと思う。 彼はプロダクションのことをとやかく言わないんだ。 彼にとって「最高の曲は何か、最高のレコードは何か、最高の歌詞は何か、みんなが本当に共感するのは何か…」ってね。 だから、一度それをクリアしたら、ほとんど意見をぶつけ合うことはなかったんだ。 なぜならこれがうまくいって曲が良くなるなら、最高だって。 逆にうまくいかないなら、取り除いてしまおうって。 それが俺であろうと、彼であろうと、Bryan Coxであろうと、部屋にいる誰であろうと関係ないんだ。 彼のアプローチが曲に基づいていて、必ずしも音楽やプロダクションに基づいているわけではないことを知って、とても新鮮だったよ。
Jagged Edgeはdvsnのファンだった?
アルバム5曲目「What’s Up」には、1999年から2000年代にかけてリリースしたすべてのアルバムが全米チャートトップ10入りを果たしたR&BグループJagged Edgeがゲストとして参加しています。
彼らはJermaine DupriのレーベルSo So Defに所属していたこともあり、ある夜、Jermaine DupriのスタジオにJagged Edgeが立ち寄ったことがきっかけで共演することになったとDaniel Daleyが明かしています。
ある晩、R&Bパーティーの後、彼らが(JDの)スタジオに立ち寄ることになって、たまたま俺がそこにいたんだけどね。 彼らは「俺たちはファンなんだ、Ty Dolla $ignと一緒にやったプロジェクトを聞いたんだけど、ヤバいから、何か聴かせてよ」って。 それで「What's Up」を聴いた彼らは「これは時代を超えたR&Bの曲のひとつで、永遠にプレイできる曲だ、家に帰って1日中聴いていたいくらいだ」って言われたんだ。 光栄に思ったね。 そして数週間後、曲が完成したところで85が「もしJagged Edgeをそこに入れたらどうだろう…」と言ったんだ。 彼らがこの曲をとても気に入っているから、参加してもらって、ハーモニーを奏で、クラシックな雰囲気を入れてもらおうって思ったんだ。 そうすれば、俺らが入れたBCoxのピアノを引き立たせるかもしれない。 レジェンド的なミュージシャンが参加してくれて、新しい時代の曲に興奮してくれるなんて、本当に素晴らしいことだよ。 彼ら自身がスーパーライターだから、それは俺にとって重要なことなんだ。
dvsn feat. Jagged Edge – What’s Up
おわりに
最後に、Daniel Daleyは2年振りのアルバムをノスタルジックを感じられる作品と表現し、現在のR&Bシーンについても言及しています。
(ノスタルジアの)要素を持ちながら、それを進歩させるものを持たないといけないんだ。 ノスタルジックな音楽が好きな人にとって、自分たちの音楽がノスタルジックに感じられるという点では、DVSNが一番だと思うんだ。 今までのディスコグラフィーの中で、これほどノスタルジックな雰囲気を持ったR&Bアクトは他にないと思うんだ。 まあ俺が言いたいのは、アーティストは実験し、適応し、変化することを許されなければならないということ。 R&Bの問題点は「昔と同じことをやっていないから、それほど成功しないんだ」と思われているよだね。 でも実際は、今聴いている世代が何であれ、若者に合わせることが許されない唯一のジャンルだから、これほど成功しないのだろうね。
そう明かす彼らは、2人の巨匠をエグゼクティブプロデューサーに迎え、ノスタルジックな要素を持たせることで、R&Bマナーに沿った作品に仕上げたのかもしれませんね。
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