2001年にリリースされたJay-Z (ジェイ・Z)のアルバム「The Blueprint」は、アメリカ同時多発テロ事件と同時期に発売されたにもかかわらず、初週に42万7000枚以上を売り上げて全米チャート1位を獲得。
批評家からは、彼のリリックとプロダクションを賞賛し、ヒットソング「Girls, Girls, Girls」「Song Cry」が収められるなど、史上最高のヒップホップアルバムのひとつとされています。
翌年には続編「The Blueprint 2: The Gift & The Curse」(2002)で再び全米チャート1位を獲得し、現在の妻Beyoncéとの「’03 Bonnie & Clyde」は世界各国でチャート上位に入るヒットとなりました。
2009年に発表したシリーズ3作目の「The Blueprint 3」は、Jay-Zにとって11枚目の全米チャート1位となり、グラミー賞では収録曲を合わせると6部門にノミネートされ、この年を象徴する1枚になりました。
今回はこのアルバムから。Alicia Keys (アリシア・キーズ)をゲストに迎えた「Empire State of Mind」(2009)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Jay-Z feat. Alicia Keys – Empire State of Mind (2009)
楽曲情報
Jay-Z (ジェイ・Z)
出身地 :ニューヨーク、ブルックリン
生年月日:1973年12月4日
ジャンル:Hip Hop
Alicia Keys (アリシア・キーズ)
出身地 :ニューヨーク
生年月日:1981年1月25日
ジャンル:R&B
レーベル
Atlantic Records
Roc Nation
Roc-A-Fella Records
プロデューサー
Janet Sewell
Angela Hunte
Al Shux
元ネタ・サンプリング
The Moments – Love on a Two-Way Street (1969)
“Empire State of Mind” 元ネタ・サンプリング
The Moments – Love on a Two-Way Street (1970)
元ネタになったのは、ソウルグループThe Moments (ザ・モーメンツ)の「Love on a Two-Way Street」(1969)です。
彼らと共にレーベル “All Platinum Records” に所属していたLezli Valentineが最初にこの曲をレコーディングした曲で、後にThe Momentsのアルバム「Not on the Outside, But on the Inside, Strong!」(1969)に収録するためレコーディングされました。
Lezli Valentine – Love On A Two Way Street
1970年にThe Momentsのアルバムからシングル化され、ソウルシングルチャートでは5週に渡って1位を獲得。
その後、100万枚を売り上げ、年間ソウルチャートで1位を獲得するなど彼らの代表曲の1つになりました。
またJay-Zはこの曲のピアノループを初めて聴いた後、Alicia Keysのことが頭に浮かび、彼女にこの曲のフィーチャリングをしてもらいたいとインタビューで明かしています。
ジェイ・Zの電話でコラボレーションが実現
Alicia Keysは今作について次のように明かし、Jay-Zから「君なしではニューヨークのアンセムになり得ない」と連絡があったようです。
最初に電話がかかってきて、ジェイが『ニューヨークのアンセムになるような楽曲ができた気がする』と言ってきたのよ。 『ピアノも、スタイルも、全体の流れも、君なしにはニューヨークのアンセムになり得ないよ』ってね。 私は長い間、Jay-Zを尊敬しているわ。 『Reasonable Doubt』(Jay-Zのデビューアルバム)はずっと好きなアルバムだし、彼は長い間シーンに君臨してきた。 いつも何かコラボレーションをしようと思っていたんだけど、今回ついに実現したの。 もちろん、彼が私に声をかけてくれたことにとても感謝しているし、私の故郷を代表するような、そんな能力を持った人物であることに、クレイジーさを感じたわ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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