アトランタを拠点に「Get Low」や「Yeah!」をヒットさせ、南部のヒップホップをメインストリームに押し上げた1人でもあるLil Jon (リル・ジョン)。
2004年にthe East Side Boyzと発表したコラボレーションアルバム「Crunk Juice」は収録曲の「What U Gon’ Do」がクラブアンセムとなり、アルバムは全米チャート3位とヒット。
その年の年間R&B/Hip Hopアルバムチャート6位にランクインするなど、この年を象徴する作品になったのではないでしょうか。
今回はこのアルバムからこれまでのスタイルと一線を画す、スローなR&Bソング「Lovers and Friends」をピックアップ。
アトランタを代表するUsher (アッシャー)、Ludacris (リュダクリス)が参加した贅沢な1曲を解説します。
Lil Jon & The East Side Boyz feat. Usher & Ludacris – Lovers and Friends (2004)
楽曲情報
Lil Jon (リル・ジョン)
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1971年1月17日
ジャンル:Hip Hop
Usher (アッシャー)
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1978年10月14日
ジャンル:R&B
Ludacris (リュダクリス)
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1977年9月11日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
BME Recordings
TVT Records
プロデューサー
Lil Jon
元ネタ・サンプリング
Michael Sterling – Lovers and Friends (1990)
“Lovers and Friends” 元ネタ・サンプリング
Michael Sterling – Lovers and Friends (1990)
元ネタになったのは、フロリダ州マイアミ出身のシンガーMichael Sterling (マイケル・スターリング)の「Lovers and Friends」(1990)です。
彼はレゲエバンドInner Circleにギタリスト、ボーカルで参加し、彼らのシングル「Bad Boys」(1986)のヒットで知名度を広げていきます。
バンドの世界ツアーに同行後、ソロアーティストとして本格的にキャリアをスタート。
これまでに11枚のアルバムを発表し、上述した「Lovers and Friends」は、1990年にリリースした「Trouble」に収録しています。
Inner Circle – Bad Boys (1986)
終わりに
Lil JonがMichael Sterlingの「Lovers and Friends」をストリップクラブで流すと好評だったことから、この曲を制作することになったと明かしています。
またUsherのアルバム「Confessions」(2004)に収録するため、デモ音源をUsherに渡したところ、アルバムはすでに完成し、本人はこの曲を聴いていなかったため収録されませんでした。
それを知ったLil Jonはビートを録り直し、自身のアルバムに収録することになりました。
Lil Jonのアルバムのリリース後、シングル化していないものの、DJがラジオやクラブでプレイすると人気を集めて全米チャート3位とヒット。
スマッシュヒットになったものの、Michael Sterlingへのロイヤリティーや著作権のクリアについての法的な処理が複雑だったため、敢えてシングル化を避けていたようです。
そんな逸話があるこの曲は、2013年に行われたSo So Def Recordingsの創設から20周年のコンサートで、披露し会場を沸かせました。
彼らの隠れた名曲となった「Lovers and Friends」。この機会に元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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