Snoop Dogg (スヌープ・ドッグ)は、Death Row Recordsからリリースしたデビューアルバム「Doggystyle」(1993)とセカンドアルバム「Tha Doggfather」(1996)で全米チャート1位を獲得し、一躍ラップスターの仲間入りを果たしました。
その後、Snoop DoggはDeath Row Recordsを離れ、同レーベルの看板ラッパーだった2Pacがこの世を去り、さらにオーナーSuge Knightの投獄されたことでDeath Row勢いを失い、2006年に破産を申請。
Death Rowは買収されるも、幾度も競売に掛けられてオーナーを転々としていた中、2022年2月にSnoop Doggが買収し、彼の19枚目のアルバム「BODR」(2022)は26年振りにDeath Row Recordsからのリリースとなりました。
「BODR」(2022)の記事はこちら。
古巣に戻ったSnoop Doggが、2022年にレーベルコンピレーションアルバム「Snoop Dogg Presents Death Row Summer 2022」(2022)をドロップ。
このアルバムには、Tha Dogg Pound、Tha Eastsidaz、Latoiya Williamsなどがゲスト参加し、名プロデューサーDJ Battlecat、Soopafly、KuruptやDr. Dreに楽曲提供しているFredWreckがプロデュースを担当するなど、Death Row Recordsの最盛期を彷彿とさせる面々が集結しています。
今回は、このアルバムからOctober Londonをフィーチャーした「Touch Away」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Snoop Dogg feat. October London – Touch Away (2022)
楽曲情報
Snoop Dogg (スヌープ・ドッグ)
出身地 :カリフォルニア州ロングビーチ
生年月日:1971年11月20日
ジャンル:Hip Hop
所属 :213, Tha Eastsidaz
レーベル
Death Row Records
プロデューサー
Kanobby
Soopafly
Dr. Bombay
元ネタ・サンプリング
Freddie Jackson – Love Is Just a Touch Away (1985)
“Touch Away” 元ネタ・サンプリング
Freddie Jackson – Love Is Just a Touch Away (1985)
元ネタになったのは、ニューヨーク出身のシンガーFreddie Jackson (フレディ・ジャクソン)の「Love Is Just a Touch Away」(1985)です。
幼い頃から教会で歌っていた彼は、1970年代後半にロサンゼルスに渡り、バンドMystic Merlinでリードボーカルを務め、3枚のスタジオアルバムをリリース。
バンドを脱退してニューヨークに戻った彼は、Capitol Recordsと契約を交わしてデビューアルバム「Rock Me Tonight」(1985)をリリース。
このアルバムは、全米R&Bチャートで4枚のトップ10シングルを生み出し、R&Bアルバムチャートで14週連続で首位を獲得する大ヒットを収め、グラミー賞「最優秀新人賞」にノミネートされました。
また「Love Is Just a Touch Away」は、このアルバムから4枚目のシングルとしてリリースされ、R&Bチャート9位を記録。
その後、DJ BattlecatやMack 10など西海岸出身のアーティストがサンプリングされ、サンプリングソースとして再び脚光を浴びることになりました。
DJ Battlecat feat. Domino – Just the Way I Live (1995)
Mack 10 feat. Gerald Levert – Money’s Just a Touch Away (1998)
おわりに
今作に参加したTha Dogg PoundのメンバーであるKuruptは、リリース前に次のように明かしています。
DazとKuruptはDoggと一緒にThe Rowに戻ってきたんだ。 俺たちはお前たちのためにたくさんのエキサイティングなことをやっているぜ。 Doggには計画があって、俺たちはその計画に参加しているよ。 Daz、Snoopy、Kuruptがヘビーな曲を作っているんだ。
Tha Dogg Pound – Whoopty Whoop (2022)
また、Snoop Doggも今作について「俺は仲間全員を集めて、誰もが楽しめる完璧な夏のアルバムを作ったんだ」と明かしています。
俺は仲間全員を集めて、誰もが楽しめる完璧な夏のアルバムを作ったんだ。 誰もが楽しめる完璧な夏のアルバムを Death Row Recordsに戻ったとき、俺はブランドを次のレベルに引き上げると約束したんだ・・・ そしてこのアルバムは、Death Rowの真の精神を祝う美しいプロジェクトになったんだ。 みんなの意見を聞くのが楽しみだ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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