Rowdy Rebel (ロウディ・レベル)はニューヨーク、ブルックリン出身で、Bobby Shmurdaと共にクルーGS9に所属し、Bobby Shmurdaのシングル「Hot Nigga」のスマッシュヒットにより、2人はEpic Recordsと契約を交わします。
しかし、殺人未遂、暴行未遂、武器の不法所持などの罪により、Rowdy Rebelは2020年までの6年間、刑務所に収監され、その間、Pop Smokeのシングル「Make It Rain」(2020)にゲスト参加するも、数枚の作品をリリースするに留まっていました。
そんな彼が、Fivio Foreign、French Montana、Dreezyなどを擁したデビューアルバム「Rebel vs. Rowdy」(2022)をドロップ。
全17曲収録した今作から、ニューヨーク出身のA Boogie Wit da Hoodie (エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディ)、Jadakiss (ジェイダキス)をフィーチャーした「New York」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Rowdy Rebel feat. A Boogie wit da Hoodie & Jadakiss – New York (2022)
楽曲情報
Rowdy Rebel (ロウディ・レベル)
出身地 :ニューヨーク、ブルックリン
生年月日:1991年11月24日
ジャンル:Hip Hop
A Boogie Wit da Hoodie (エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディ)
出身地 :ニューヨーク、ブロンクス
生年月日:1995年12月6日
ジャンル:Hip Hop
Jadakiss (ジェイダキス)
出身地 :ニューヨーク、ヨンカーズ
生年月日:1975年5月27日
ジャンル:Hip Hop
所属 :The Lox
レーベル
Epic Records
プロデューサー
Bans
Dasda
S.Dot
元ネタ・サンプリング
Ja Rule feat. Fat Joe & Jadakiss – New York (2004)
“New York” 元ネタ・サンプリング
Ja Rule feat. Fat Joe & Jadakiss – New York (2004)
元ネタになったのは、ニューヨーク、クイーンズ出身のラッパーJa Rule (ジャ・ルール)の「New York」(2004)です。
この曲は、全米チャート7位を記録した彼の6枚目のアルバム「R.U.L.E.」(2004)に収録。
アルバムからリードシングルでもあるこの曲は、プロデューサーデュオCool & DreがFat Joe (ファット・ジョー)のために制作したビートでしたが、当初はFat Joeが断ったようです。
その後、Jadakissはこの曲に興味を示していたようですが、Ja Ruleはすぐにこの曲を手に入れると、その経緯を知ったIrv GottiはJa Ruleにそのことを伝え、Fat JoeとJadakissの2人をこの曲でフィーチャーしたいとオファーしたようです。
また、この曲でのJa Ruleのバースは、ラッパー50 Centと彼のグループG-Unitに向けたサブリミナルなディストラックと考えられており、Lloyd Banksのシングル「On Fire」(2004)を文字って次のようにラップしています。
Apprentice, you fired, you're no longer desired So take off them silly chains, put back on your wire I'm on fire 見習いのお前はクビだ、もう用無しだ だからバカげた鎖を外し、ワイヤーを付け直せ 俺は燃えているんだ
Lloyd Banks – On Fire (2004)
2020年には、ニューヨーク、ブルックリン出身のラッパーMelvoniもこの曲をサンプリングしています。
おわりに
6年間の刑期を終えて出所したRowdy Rebelは、出所後すぐに新曲をリリースするつもりでしたが、彼のチームは今作のプロジェクトにもっと取り組むように説得されて、リリースに至ったようです。
また、出所後の心境や、ブランクのためにアルバムリリースに時間がかかったことについても、次のように明かしています。
俺が感じた感覚、それは圧倒的なものだったね。 説明するのが難しいんだ。長い間会っていない人たちがまだいる… 仲間たちや家族と一緒に家に帰れるのは本当にいい気分だ。 長い間、何かから遠ざかっていると、錆び付いちゃうんだ。 バスケットボール選手が6年間もボール遊びから遠ざかっているようなものだね。 このアルバムを出すのに随分と時間がかかったと感じるんだ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
コメント