1991年にSuge Knight、Dr. Dre、The D.O.C.、Dick Griffeyによって設立されたDeath Row Records。
Dr. Dreのデビュー作「The Chronic」やSnoop Dogg (スヌープ・ドッグ)の「Doggystyle」などのヒット作をリリースし、2Pacが所属するなど、1990年代の西海岸ヒップホップの発展に大きく貢献したレーベルです。
2000年代半ばにレーベルが倒産し、オーナーを転々とする中、2022年にSnoop Doggが買収に成功し、レーベルの再始動が始まるようです。
Snoop Doggは、新生Death Row Recordsの第1弾としてアルバム「BODR」(2022)をドロップ。
「Bacc On Death Row」の頭文字をとったこのアルバムには、Nate Dogg、The Game、DJ Battlecatといった西海岸シーンを牽引してきたアーティストから、T.I.、Nas、Uncle Murdaなどのベテラン勢までが参加しています。
今回は、このアルバムから「Crip Ya Enthusiasm」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Snoop Dogg – Crip Ya Enthusiasm (2022)
楽曲情報
Snoop Dogg (スヌープ・ドッグ)
出身地 :カリフォルニア州ロングビーチ
生年月日:1971年11月20日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Death Row Records
プロデューサー
DJ Green Lantern
元ネタ・サンプリング
Luciano Michelini – Frolic (1974)
“Crip Ya Enthusiasm” 元ネタ・サンプリング
Luciano Michelini – Frolic (1974)
元ネタになったのは、イタリア出身の作曲家Luciano Michelini(ルチアーノ・ミケリーニ)の「Frolic」(1974)です。
この曲はイタリア映画「La Bellissima Estate」のメインテーマのひとつで、その後2000年から放送されているコメディ番組「Curb Your Enthusiasm」のメインテーマに使用広く知られされ、広く知られるようになりました。
コメディ番組の制作者であるLarry Davidは、銀行のCMで耳にしたのがきっかけでこの曲を知り、番組のテーマソングに抜擢したようです。
2020年には第10シーズンが放送されるほどの人気番組となり、同時にこの曲のミームも多く生まれました。
これについて、Luciano Micheliniは次のように明かしています。
世界中に素晴らしい曲がいくつもあることを考えると「Frolic」がなぜこれほどまでに成功し、認知されたのか、説明するのは難しいね。 ただちょうどいい時期に、いいタイミングでテレビ番組のために使われた曲であったと推測することができるね。 マンドリン、チューバ、ピアノ、ストリングスなどの楽器は、聴く人の耳を引くように書いたんだ。コミカルなDNAを持つ作品だよ。
新生Death Row RecordsをNFTレーベルに
この買収により、Snoop DoggはDeath Row RecordsがNFTレーベルになることを明らかにし、アルバムはブロックチェーンで販売されることになりました。
Death Rowがメジャーになった最初のインディペンデントレーベルとして業界に風穴を開けたように、俺はメタバースで最初のメジャーレーベルになりたいんだ。
NFTとメタバースは音楽業界においても着実に進出しており、2020年にはTravis Scottが人気オンラインゲーム「フォートナイト」内だけでライブを行なって注目を集めるなど、今後もさらなる発展が期待されています。
この機会に、アルバムと元ネタを併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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