「ビギー」の愛称で親しまれ、ニューヨークのヒップホップシーンに大きく貢献したThe Notorious B.I.G.。
各音楽メディア誌から「史上最高のラッパー」と賞賛されるも、1997年に24歳の若さで銃殺され、多くのオーディエンスが悲しみに暮れました。
そんな彼のデビューアルバム「Ready to Die」(1994)は、名曲「Juicy」「One More Chance」などがシングルカット。
多くの批評家から「ヒップホップの最高傑作の1つ」「史上最高のアルバムの1つ」として挙げられる作品となっています。
今回はこのアルバムから彼の代表曲の1つでもある「Big Poppa」(1994)をピックアップ。
この曲は、2021年に53歳の若さで命を落とした名プロデューサーChucky Thompsonがプロデュース。
元ネタとChucky Thompsonについて解説します。
The Notorious B.I.G. – Big Poppa (1994)
楽曲情報
The Notorious B.I.G.
出身地 :ニューヨーク、ブルックリン
生年月日:1972年5月21日
ジャンル:Hip Hop
没年月日:1997年3月9日 (24歳)
レーベル
Bad Boy Entertainment
プロデューサー
Diddy
Chucky Thompson
元ネタ・サンプリング
The Isley Brothers – Between the Sheets (1983)
Super Cat feat. Mary J. Blige, The Notorious B.I.G., Puff Daddy & 3rd Eye – Dolly My Baby (Bad Boy Extended Mix) (1993)
“Big Poppa” 元ネタ・サンプリング1
The Isley Brothers – Between the Sheets (1983)
元ネタになったのは、ソウルグループThe Isley Brothersの「Between the Sheets」(1983)です。
この曲は彼らの22枚目の同タイトルのアルバム「Between the Sheets」に収録し、アルバムはソウルチャート1位を獲得。
またサンプリングソースとしても有名で、これまでに140曲以上で使用されており、CommonやGwen Stefaniなど幅広いアーティストがネタ使いしています。
Common – Breaker 1/9 (1992)
Gwen Stefani feat. Slim Thug – Luxurious (2004)
“Big Poppa” 元ネタ・サンプリング2
Super Cat feat. Mary J. Blige, The Notorious B.I.G., Puff Daddy & 3rd Eye – Dolly My Baby (Bad Boy Extended Mix) (1993)
さらにジャマイカ、キングストン出身のレゲエアーティストSuper Catの「Dolly My Baby (Bad Boy Extended Mix)」(1993)をサンプリングしています。
この曲のオリジナルバージョンは彼のアルバム「Don Dada」に収録し、ラップチャートで上位に入ることで、彼が成功を収めた1曲でもあります。
また「Bad Boy Extended Mix」では、当時無名であったThe Notorious B.I.G.がDiddy、Mary J. Bligeと共に参加。
これは彼にとって初のオフィシャルレコーディングでのリリースとなりました。
Super Cat – Dolly My Baby (1993)
終わりに
前述したプロデューサーChucky Thompsonは、Diddy率いるBad Boy関連の作品を手掛け、The Notorious B.I.G.の「One More Chance」や、Nasの「One Mic」(2001)などのヒット曲をプロデュースしています。
しかし2021年に新型コロナウイルスの合併症により、8月に53歳の若さでこの世を去りました。
彼がプロデュースしてきた往年の名曲たちを、この機会に改めて聞いてきてはいかがでしょうか。
Nas – One Mic (2001)
コメント