2022年にベテランラッパーJuicy Jとのコラボアルバム「Stoner’s Night」を発表し、Girl Talk、Big K.R.I.T.、Smoke DZAとコラボアルバム「Full Court Press」をリリースするなど、今年に入ってから精力的な活動を見せるWiz Khalifa (ウィズ・カリファ)。
そんな彼が、約4年振りとなる7枚目のアルバム「Multiverse」(2022)をドロップ。
THEY、Girl Talkと、これまでの作品の中で最も少ないゲストアーティストを迎えた全17曲を収録した今作は、自身が体験した世界をアルバムタイトルにしたことを明かしています。
タイトルは、俺が経験してきたユニークな世界からきているんだ。 今までで一番好きなプロジェクトの1つで、ファンが俺の世界に入ってきて、一緒に熱狂してくれるのがとても楽しみだ。
今回はこのアルバムから、セカンドシングルでMVも公開されている「Bad Ass Bitches」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Wiz Khalifa – Bad Ass Bitches (2022)
楽曲情報
Wiz Khalifa (ウィズ・カリファ)
出身地 :ペンシルベニア州フィラデルフィア
生年月日:1987年9月8日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Asylum Records
Atlantic Records
Taylor Gang
Taylor Gang Records
プロデューサー
Diego Ave
Bankroll Got It
Hitmaka
元ネタ・サンプリング
Lil Wayne feat. Mack Maine & Ashanti – Start This Shit Off Right (2018)
“Bad Ass Bitches” 元ネタ・サンプリング
Lil Wayne feat. Mack Maine & Ashanti – Start This Shit Off Right (2018)
元ネタになったのは、ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のラッパーLil Wayne (リル・ウェイン)の「Start This Shit Off Right」(2018)です。
この曲は、彼の12枚目のスタジオアルバムで「Tha Carter」シリーズ5作目となる「Tha Carter V」(2018)に収録されています。
しかし、このアルバムは当初2014年にリリースされる予定でしたが、Lil Wayneと所属していたCash Money Recordsの契約上の問題や、レーベル代表のBirdmanとの数々の個人的ないざこざにより、4年後にようやくリリースされることになりました。
これは2014年12月、発売予定日の5日前にレーベルのボスであるBirdmanが、アルバムは完成しているが発売したくないと示し、これに不快感を覚えたLil Wayneが、Twitterにリリースしないことを投稿。
アルバムのリリースが遅れたため、Lil Wayneは自主的にミックステープ「Sorry for the Wait 2」(2015)をリリースし、曲中で何度もBirdmanとCash Money Recordsをディスり、当時のインタビューで次のように明かしています。
もちろん「Tha Carter V」を見ることになるんだけど、間違った出し方をしたくないんだ。 正直、俺はいつでも好きなことができる。 ファンにはそれがふさわしいし、そうなるようにするつもりだ。 俺は正しいことをやるよ。 俺は、ドロップしたいものを何でもドロップできる。 だから、俺はやりたいことをやり続けるんだ。 でも、Carter Vを間違った形で提供するつもりはないんだ。
そして、長い法廷闘争の末、Lil Wayneは2018年6月にCash Moneyとの契約を解消してついにアルバムをリリースし、歴代アルバムで2番目に多いストリーミング週間(4億3300万回)、48万枚の販売枚数で全米チャート1位を獲得しています。
Logicとツアーを敢行!
Wiz Khalifaは、アルバム「Multiverse」の制作について「思い通りの形にしていくことができた」と明かしています。
貯めた音楽はたくさんあったんだけど、自分自身に集中して聴く時間がなかったんだ。 だから、今年は腰を据えて、すべてをフィルターにかけたね。 新しいWiz Khalifaがどんな音なのか知りたかったんだ。 それで曲を作り始め、ビデオを作り始め、それがどんなものになるかを確かめるために、インターネットでいくつか宣伝したよ。 幸いなことに、1月から6月にアルバムをリリースするまでの間、時間がたくさんあったから、アルバムを思い通りの形にしていくことができたんだ。 丸々1ヶ月間、スタジオで生活して、そこでアルバムの本当のDNAが形成され始めたんだ。
また、Wiz Khalifaはこの夏、アルバム「Vinyl Days」をリリースしたLogicとの共同で「Vinyl Verse」ツアーをスタートさせ、Wiz Khalifaは「新曲を歌えることに興奮しているよ」と明かしています。
アルバムからの新曲を歌えることに興奮しているよ。 もちろん、ヒット曲やクラシックもやるよ。 俺のライブに13回来てくれている人もいれば、初めて参加する人もいて、いつもワクワクしているんだ。 だから、その人たちの印象に残るようにしたいんだ。 もし、その曲を聴いたことがなければ「これはやばい曲だ。この曲を調べないと」って思ってもらえるような。 俺はみんなを旅に連れ出すつもりだよ。
この機会に、アルバムと元ネタを併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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