Benny The Butcher (ベニー・ザ・ブッチャー)は、2000年台半ばにB.E.N.N.Y.名義でキャリアをスタートさせ、盟友Westside Gunnが設立したGriselda Recordsから作品を発表してきました。
2018年にデビューアルバム「Tana Talk 3」をリリースし、2020年のアルバム「Burden of Proof」は、批評家から高い評価を受け、R&B/Hip Hopチャート14位を記録。
また翌年には、プロデューサーのHarry FraudとコラボレーションしEP「The Plugs I Met 2」(2021)をリリースしています。
この曲の記事はこちら。
ニューヨークのシーンでも特に注目を集めるBenny The Butcherが、J. Cole (J. コール)とコラボレーションシングル「Johnny P’s Caddy」(2022)をリリース。
名プロデューサーThe Alchemistがプロデュースしたこの曲は、YouTubeでは公開から5日で300万再生を突破し、大きく注目を集めています。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Benny the Butcher & J. Cole – Johnny P’s Caddy (2022)
楽曲情報
Benny The Butcher (ベニー・ザ・ブッチャー)
出身地 :ニューヨーク、バッファロー
生年月日:1984年11月27日
ジャンル:Hip Hop
J. Cole (J. コール)
出身地 :ノースカロライナ州ファイエットビル
生年月日:1985年1月28日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Griselda Records
EMPIRE
プロデューサー
The Alchemist
元ネタ・サンプリング
Dexter Wansel – Theme from The Planets (1976)
“Johnny P’s Caddy” 元ネタ・サンプリング
Dexter Wansel – Theme from The Planets (1976)
元ネタになったのは、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のプロデューサーDexter Wanselの「Theme from The Planets」(1976)です。
1970年代半ばからジャクソン5、テディ・ペンダーグラス、パティ・ラベルなど多くのアーティストのプロデュースと楽曲提供を行い、1978年の第1回「黒人音楽史月間」を記念したホワイトハウスの歴史的なショーでは音楽監督と指揮を務めています。
そんな彼の「Theme from The Planets」は、アルバム「Life on Mars」(1976)に収録。
この曲のイントロに使われているドラムビートは、ヒップホップの最初の基礎となったビートのひとつとされ、Eric B & Rakim、Wiz Khalifa、Ice-Tなど250曲以上で使われています。
またJ. Coleも「Lights Please」(2009)や「Everybody Dies」(2016)でサンプリングしており、彼のお気に入りのサンプリングソースのひとつではないでしょうか。
J. Cole – Lights Please (2009)
J. Cole – Everybody Dies (2016)
終わりに
今作でBenny The Butcherは、J. Coleと初共演を果たしましたが、彼との制作について次のように明かしています。
どんなラッパーでも、コールのような人と仕事をするときは、知恵比べのようなものだと言うだろう。 彼がそうだとわかっているからこそ、クレイジーにならざるを得ない。 鉄は鉄を鋭くする。 誰かが背中を押してくれるような存在であってほしいということだね。
この機会に元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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