“King of the South” と呼ばれるほど20年以上アトランタを中心に活動してきたT.I. (ティーアイ)。
これまでに発表したアルバムは、7枚が全米チャートトップ5にランクインし、グラミー賞を3度受賞。
またルックスの高さから映画にも多数出演し、自身のレーベル「Grand Hustle Records」ではCEOを務めるなどマルチに活躍しています。
そんな彼の4枚目のアルバム「King」(2006)は全米チャート1位を獲得。
年間R&B/Hip Hopアルバムチャートでも3位にランクインし、この年を代表する1枚になりました。
今回はそのアルバムからシングルカットされた「Why You Wanna」をピックアップして解説していきます。
楽曲情報
T.I. (ティーアイ)
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1980年9月25日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Grand Hustle Records
Atlantic Records
プロデューサー
Khao
元ネタ・サンプリング
Crystal Waters – Gypsy Woman (She’s Homeless) (1991)
T.I. – Why You Wanna (2006)
元ネタ・サンプリング
Crystal Waters – Gypsy Woman (She’s Homeless) (1991)
元ネタとなったのはニュージャージー州デプトフォード出身のシンガーCrystal Watersの1991年作。
彼女のデビューアルバム「Surprise」からリードシングルとして発表され、全米Dance Clubチャート1位、UKチャート2位にランクイン。
ヨーロッパではオーストリア、デンマーク、フィンランド、ドイツなどのチャートでもトップ10入りを果たし、世界的なヒットソングになりました。
またサンプリングソースとしても現代の音楽シーンにも影響を与えている1曲で、イントロ部分や
「La da dee, la dee da〜」
のリフを使用することが多いです。
これまでにTrey SongzやG-Eazyなど70曲以上がサンプリングしています。
Trey Songz – 1×1 (2017)
G-Eazy feat. Too $hort – Of All Things (2015)
アルバム “King”
制作に1年半以上費やして完成した「King」は全18曲収録され、UGK、Young Jeezy、Jamie Foxx、Young Droなどラッパーを中心にフィーチャー。
リードシングルの「What You Know」は全米チャート3位にランクインし、クラブアンセムにもなりましたね。
T.I – What You Know (2006)
アルバムのリリース前から期待を集めていたこの作品は、発売初週に52万枚以上のセールスを記録。
グラミー賞の「最優秀ラップ・アルバム」「最優秀ラップ・ソング」「最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス」にノミネートされるなど、T.I.を代表する作品となりました。
Why You Wanna
アルバムからセカンドシングルとしてリリースされ、R&B/Hip Hopチャート5位にランクイン。
「What You Know」に注目が集まってしまいますが、アルバムセールスを支えたヒットナンバーになりました。
プロデューサーには、このアルバムから計4曲を手掛けたKhao。
T.I.の作品は過去にも多数手掛け、3枚目のアルバム「Urban Legend」(2004)から「Why U Mad at Me」をプロデュース。
全米チャート7位、R&B/Hip Hopチャート1位に輝き、T.I.の出世作となりました。
T.I. – Why U Mad At Me (2004)
他にもRick Ross、Young Jeezy、Paul Wall、Young Droなど、南部を中心に活動するラッパーをプロデュース。
また2019年にはソロアーティストとしても活動し、Gucci Mane、Lil Babyなどと楽曲を発表しています。
終わりに
T.I.の「Why You Wanna」はいかがでしたでしょうか。
元ネタは意外にもHouseの大ネタで、現代のブラックミュージックにも大きく影響を与えていたナンバーでしたね。
この機会にT.I.名作「King」と併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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