ジョージア州アトランタ出身のT.I. (ティーアイ)が2008年に発表した6枚目のアルバム「Paper Trail」は発売初週に56万枚以上を売り上げ、アルバム「King」(2006)「T.I. vs. T.I.P.」(2007)に続いて全米チャート1位を獲得しました。
このアルバムからは8曲がシングルとしてリリースされ、そのうち「Whatever You Like」「Live Your Life」は全米シングルチャート1位を獲得。
また、アルバムも年間R&B/Hip Hopチャート5位を記録するなど、この年を代表するラップアルバムとなりました。
今回はこのアルバムから、JAY-Z (ジェイ・Z)、Kanye West (カニエ・ウェスト)、Lil Wayne (リル・ウェイン)が参加した「Swagga Like Us」(2008)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
T.I. & JAY-Z feat. Kanye West & Lil Wayne – Swagga Like Us (2008)
“Swagga Like Us” 楽曲情報
リリース日
2008年9月6日
レーベル
Roc-A-Fella Records
Def Jam
プロデューサー
Kanye West
元ネタ・サンプリング
M.I.A. – Paper Planes (2007)
“Swagga Like Us” 元ネタ・サンプリング情報
M.I.A. – Paper Planes (2007)
元ネタになったのは、イギリス、ロンドン出身のミュージシャンM.I.A.の「Paper Planes」(2007)です。
彼女の2枚目のアルバム「Paper Planes」(2007)に収録されたこの曲は、全米シングルチャート4位を記録し、M.I.A.はリードアーティストとして唯一全米チャートにランクインした曲となりました。
また、この曲はグラミー賞の「レコード・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされ、M.I.A.は世界的に知られることになりましたが、彼女はこの曲について次のように明かしています。
この曲は……マーケティング目的で作ったものではないよ。 自然だったんだ。 クリエイティブなものを作って、みんながそれを好きになってくれるのは嬉しいことね。 iTunesで3位か4位になったって誰かが言っていたよ。Jonas Brothersに勝ったんだ。 私は何が起こったんだろう?って感じだったわ。 チャートというのは、私にはあまりピンとこないの。 でも、チャートというのは面白いもので、今、学んでいるところよ。 応援してもらえるとうれしいわ。
「Paper Planes」の元ネタについての記事はこちら。
カニエ・ウェストはM.I.A.とのコラボを望んでいた?
「Swagga Like Us」をプロデュースしたKanye Westは当初、彼の2枚目のアルバム「Late Registration」(2005)でM.I.A.と仕事をしたいと考えていましたが、彼女の多忙なスケジュールのため実現には至りませんでした。
しかし、Kanye Westが彼女の「Paper Planes」を聞いてさらに興味を持ち、M.I.A.に直接メールを送ったことが明らかになっています。
Kanyeはクリスマスの頃に私にメールを送ってきて、毎日「Paper Planes」を聴いていると言ってきたわ。 本当にホットだと思ったわ。 彼はデモバージョンを私にメールしてきたのよ。T.I.は自分のバースを書き直したんだと思う。 それが出来上がると、さらに良い音になった。 Kanyeは1つの文章から全体を作り上げたんだ。 私はいつかKanyeと何かやることになるわ。 私たちはお互いに尊敬し合っているの。
また「Swagga Like Us」は、グラミー賞で2部門にノミネートされ、そのうち「最優秀ラップパフォーマンス賞(デュオまたはグループ)」を受賞し、4人は授賞式では妊娠中のM.I.A.と一緒にこの曲をライブを披露しています。
関連記事はこちら。
コメント