“King of the South” ことT.I. (ティーアイ)は、アトランタを拠点として数々のクラブヒットをリリースし、南部Hip Hopの発展に大きく貢献してきました。
そんな彼が11枚目となるアルバム「The L.I.B.R.A.」(2020)をリリース。
これは「Legend Is Back Running Atlanta」の頭文字をとったもので、2年振りのアルバムでT.I.が帰ってきたことを証明しているように思えます。
今回はこの中からR&Bテイストに仕上がった「Moon Juice」をピックアップ。
客演で参加しているSnoop Dogg (スヌープ・ドッグ)が所属していたグループを、サンプリングしたことで話題の1曲であるこの曲を解説します。
T.I. feat. Snoop Dogg & Jeremih – Moon Juice (2020)
楽曲情報
T.I. (ティーアイ)
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1980年9月25日
ジャンル:Hip Hop
Snoop Dogg (スヌープ・ドッグ)
出身地 :カリフォルニア州ロングビーチ
生年月日:1971年11月20日
ジャンル:Hip Hop
所属 :213, Tha Eastsidaz
Jeremih (ジェレマイ)
出身 :イリノイ州シカゴ
生年月日:1987年7月17日
ジャンル:R&B
レーベル
EMPIRE
Grand Hustle Records
プロデューサー
Paul Cabbin
Cardiak
Hitmaka
元ネタ・サンプリング
Tha Eastsidaz feat. Snoop Dogg & Butch Cassidy – G’d Up (1999)
Young & Company – I Like (What You’re Doing to Me) (1980)
“Moon Juice” 元ネタ・サンプリング
Tha Eastsidaz feat. Snoop Dogg & Butch Cassidy – G’d Up (1999)
元ネタとなったのはSnoop Dogg、Tray Deee、Goldie Locの3人で構成されるラップグループTha Eastsidazの「G’d Up」(1999)です。
この曲は彼らのグループ名がタイトルになったデビューアルバム「Tha Eastsidaz」(2000)に収録。
アルバムは全米チャート8位にランクインとヒットし、セカンドアルバムを制作中にSnoop Doggがグループから脱退。
さらにメンバーのTray Deeeが殺人未遂事件で12年の実刑判決を受けた為、グループは解散となりました。
“G’d Up” 元ネタ・サンプリング
Young & Company – I Like (What You’re Doing to Me) (1980)
さらに深堀りするとTha Eastsidazの「G’d Up」は、FunkバンドYoung & Companyの「I Like (What You’re Doing to Me)」(1980)をサンプリングしています。
この曲は彼らの最初にレコーディングしたデモ音源でしたが、これを耳にしたBrunswick Recordsが目をつけて契約に至っています。
またTha Eastsidazの他に30曲以上でサンプリングされ、DJ Quikの「Dollaz + Sense」(1995)でも使用されています。
DJ Quik – Dollaz + Sense (1995)
終わりに
Snoop Doggが所属していたTha Eastsidazの「G’d Up」をサンプリングすることで、西海岸を感じさせる1曲に仕上がったように感じさせます。
またアルバム「The L.I.B.R.A.」も大ネタを使用した楽曲を収録し、老若男女楽しめる作品に仕上がっているように感じます。
ぜひこの機会にアルバムも含めて聞いてみてはいかがでしょうか。
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