これまでに6枚のアルバムを発表し、そのうち2枚が全米チャート1位に輝いたラッパーのWale (ワーレイ)。
今回は2019年に発表したアルバム「Wow… That’s Crazy」から「On Chill」をピックアップ。
これまで所属していたAtlantic Recordsを2018年に去り、今作は新天地Warner Recordsからのリリースとなりました。
そんなアルバムは全米チャート7位にランクインし、彼の4枚目の全米トップ10アルバムになりました。
Waleの2010年代最後のアルバムとシングル「On Chill」併せて解説していきます。
楽曲情報
Wale (ワーレイ)
出身 :メリーランド州ゲーサーズバーグ
生年月日:1984年9月21日
ジャンル:Hip Hop
Jeremih (ジェレマイ)
出身 :イリノイ州シカゴ
生年月日:1987年7月17日
ジャンル:R&B
レーベル
Warner Records
Maybach Music Group
プロデューサー
Norva “VA” Denton
LT mOE
The DropKix
元ネタ・サンプリング
Raphael Saadiq – Ask Of You (1995)
Wale feat. Jeremih – On Chill (2019)
元ネタ・サンプリング
Raphael Saadiq – Ask Of You (1995)
元ネタとなったのは、カリフォルニア州オークランド出身のシンガー、プロデューサーのRaphael Saadiq。
R&Bグループ「Tony! Toni! Tone!」に所属していた彼は、グループで人気を博した後にソロへ転向。
今作は映画「Higher Learning」のサントラの為に制作されましたが、その後シングルカットされリリース。
全米チャート19位にランクインし、R&B/Hip Hopチャート2位とヒット。
サビ部分は坂本 九の「上を向いて歩こう」がサンプリングされています。
坂本 九 – 上を向いて歩こう (1961)
アルバム “Wow… That’s Crazy”
この作品は前作のアルバム「Shine」(2017)から約2年振りのリリースとなりました。
アルバムのエグゼクティブプロデューサーには、Waleが所属するMaybach Music Groupの創設者でもあるRick Rossが務めています。
この作品は全15曲収録され、Meek Mill、Lil Durk、Megan Thee Stallionなどの人気ラッパーから、Bryson Tiller、Jacquees、6LACKなどの若手シンガーまでフィーチャー。
シングルは5枚カットされ、そのうちBryson Tillerをフィーチャーした「Love… (Her Fault)」はYouTubeでは2000万再生とヒットしています。
Wale feat. Bryson Tiller – Love… (Her Fault) (2019)
On Chill
今作ではこれまでに数々の楽曲で、客演を務めてきたシンガーのJeremih (ジェレマイ)をフィーチャー。
Waleとは2011年に発表した「That Way 」でも共演しており、収録されていたアルバム「Ambition」は全米チャート2位にランクイン。
前作が好評であっただけに、オーディエンスからは嬉しいコラボレーションになりました。
Wale feat. Rick Ross & Jeremih – That Way (2011)
またWaleはJeremihとのコラボレーションについて語っており
「何かユニークなものがあるよね。俺の声とJeremihの声のコラボレーションはとても良いと思うよ」
「飽きがこないし、繰り返しにもならない。俺の声はあまり高くなく、ぼそぼそとしている」
「一方、彼のトーンは高く、切れがある。この2つを交互に出し入れすることで、曲を面白くすることができると思うね」
自分とは対照的な声質が、曲をより良くしているように感じているようです。
終わりに
Waleの「On Chill」はいかがでしたでしょうか。
デビュー時の勢いからは落ちたものの、中堅ラッパーらしく落ち着いたナンバーに仕上がった今作。
また元ネタは誰もが知っている名曲をサンプリングしていることで、日本人には馴染みやすいナンバーかもしれません。
元ネタと併せてこの機会に聞いてみてはいかがでしょうか。
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