2001年に発表したJennifer Lopez (ジェニファー・ロペス)のセカンドアルバム「J.Lo」は、彼女にとって初めて全米チャート1位を獲得、全世界で800万枚以上のセールスを記録する大ヒットとなりました。
それから約1年後、彼女は3枚目のアルバム「This Is Me… Then」(2002)をリリース。
このアルバムのリリースする前、Jennifer Lopezは俳優Ben Affleckとの交際しており、このアルバムの制作には彼の存在が大きな役割を果たしたと語っています。
ある意味、このアルバムが作られていた時、私が経験していたことに影響されて多くの曲を書いたわ。 彼は間違いなくその大きな部分だったわ。
前作の大ヒットにより、多くのオーディエンスから注目を集める中リリースされた今作は、全米チャート2位にランクインし、全世界で600万枚以上のセールスを記録しました。
今回はこのアルバムからリードシングル「Jenny from the Block」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Jennifer Lopez – Jenny from the Block (2002)
楽曲情報
Jennifer Lopez (ジェニファー・ロペス)
出身地 :ニューヨーク、キャッスルヒル
生年月日:1969年7月24日
ジャンル:Pop, R&B
レーベル
Epic Records
プロデューサー
Trackmasters
Troy Oliver
Cory Rooney
元ネタ・サンプリング
20th Century Steel Band – Heaven and Hell Is on Earth (1975)
The Beatnuts – Watch Out Now (1999)
Enoch Light – Hijack (1975)
“Jenny from the Block” 元ネタ・サンプリング ①
20th Century Steel Band – Heaven and Hell Is on Earth (1975)
元ネタになったのは、イギリス出身のバンド20th Century Steel Band (20th センチュリー・スティール・バンド)の「Heaven and Hell Is on Earth」(1975)です。
この曲は、彼らの最初のスタジオアルバム「Warm Heart Cold Steel」(1975)に収録されています。
リリースから長い年月が経った現在まで、サンプリングソースとして注目を浴び、Black Eyed PeasやKanye Westなど、100曲以上でサンプリングされる大ネタとして知られています。
Black Eyed Peas – Say Goodbye (1998)
Kanye West – Heaven and Hell (2021)
“Jenny from the Block” 元ネタ・サンプリング ②
The Beatnuts – Watch Out Now (1999)
Jennifer Lopezの「Jenny from the Block」は、ニューヨーク出身のラップグループThe Beatnuts (ザ・ビートナッツ)の「Watch Out Now」もサンプリングしています。
彼らの3枚目のアルバム「A Musical Massacre」(1999)に収録されたこの曲は、ラップソングスチャート3位を記録。
また、ヒップホップメディア誌The Sourceが発表したコンピレーションアルバムに収録され、彼らのコンピレーションアルバムにも収められるなど、The Beatnutsの代表曲のひとつとなりました。
その後、Jennifer Lopezの「Jenny from the Block」でサンプリングされたことで、2004年に発表したアルバム「Milk Me」(2004)に収録されている「Confused Rappers」でJennifer Lopezをディスしています。
曲中では、Jennifer Lopezの歌唱力と容姿を批判し「Jenny from the Block」のプロデューサーTrackmastersとCory Rooneyにビートを盗まれたこと、彼女の曲がオリジナルでないのにも関わらず、自分たちの楽曲よりも成功したことに腹を立てていたようです。
The Beatnutsは、最終的にロイヤリティを受け取りましたが、その後のインタビューではJennifer Lopezとプロデューサーに嫌悪感を抱いているようです。
The Beatnuts – Confused Rappers (2004)
“Watch Out Now” 元ネタ・サンプリング
Enoch Light – Hijack (1975)
ビートを盗まれたと怒りを露わにしていていたThe Beatnutsの「Watch Out Now」は、オハイオ州カントン出身のEnoch Light (イーノック・ライト)の「Hijack」(1975)をサンプリングしています。
この曲は、スペインの音楽グループBarrabásのアルバム「¡Soltad a Barrabás!」(1974)に収録されたカバーで、後にジャズフルート奏者Herbie Mannのシングルとしてヒットしました。
Herbie MannがCissy Houstonをボーカルに迎えたこの曲は、1975年初頭にアメリカのディスコ・アクション・チャートで3週間1位を記録。
しかしこの曲の暗示的なリリックの繰り返しと、中東でのハイジャック事件により、AMラジオ局での放送が禁止されたようです。
Herbie Mann – Hi-Jack (1974)
おわりに
「Jenny from the Block」は全米シングルチャート3位を記録し、このヒットによりメディアから『Jenny from the Block』というニックネームで呼ばれることとなったJennifer Lopez。
また、2013年にはBecky Gがこの曲をサンプリングした「Becky From the Block」を発表するなど、今なお根強い人気のある1曲でもあります。
Becky G – Becky from the Block (2013)
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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