Kendrick Lamar vs Drake: 『Not Like Us』の成功と元ネタの解説

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Kendrick Lamar (ケンドリック・ラマー)Drakeは、2013年8月から対立関係にあり、この対立は、2024年3月に再燃しました。2024年3月、Kendrick LamarFutureMetro Boominのシングル『Like That』にゲスト参加した際、その内容がDrakeJ. Coleへのディスと解釈され、再び緊張感が高まりました。

一方、Drakeはシングル『Push Ups』『Taylor Made Freestyle』で応戦しましたが、しかし、Kendrick Lamarも負けじとシングル『Euphoria』『6:16 in LA』で反撃しました。

特に『6:16 in LA』のリリース後数時間以内に、Drakeはシングル『Family Matters』Kendrick Lamarを強く批判しました。その内容は、Kendrick Lamarが恋人のウィットニー・アルフォードを虐待しているというものや、Kendrick Lamarの2人の子供のうち1人は彼のクリエイティブ・パートナーであるDave Freeが父親であるという主張を含んでいました。

このような状況の中、Kendrick Lamarは2024年5月に新たなシングル『Not Like Us』をリリースしました。ここでは、この曲の元ネタや詳細について解説いたします。

Kendrick Lamar – Not Like Us (2024)

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『Not Like Us』楽曲情報

リリース日
2024年5月4日

レーベル
Interscope Records

プロデューサー
Mustard
Sounwave
Sean Momberger

元ネタ・サンプリング
Monk Higgins – I Believe to My Soul (1968)
Debbie Deb – When I Hear Music (1983)

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『Not Like Us』元ネタ・サンプリング情報①

Monk Higgins – I Believe to My Soul (1968)

※『Not Like Us』の0:44〜

元ネタになったのは、アーカンソー州メニフィー出身のサックス奏者Monk Higgins (モンク・ヒギンズ)『I Believe to My Soul』(1968)です。

Monk Higginsは、1960年代にインスト曲でヒットを出し、Gene HarrisBobby BlandThe Chi-Litesなどの多くのミュージシャンと共演を果たした名サックス奏者です。

『I Believe to My Soulは、Monk Higginsのアルバム『Mac Arthur Park』(1968)に収録されています。この曲は、1959年にRay Charlesが発表したカバー曲としても知られています。

Ray Charles – I Believe to My Soul (1959)

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『Not Like Us』元ネタ・サンプリング情報②

Debbie Deb – When I Hear Music (1983)

※『Not Like Us』の0:10〜

さらに、Kendrick Lamar『Not Like Us』は、フロリダ州ノースマイアミビーチ出身のシンガーDebbie Deb『When I Hear Music』(1983)をサンプリングしています。

Debbie Debは16歳の時に、プロデューサーのPretty Tony Butlerによって見出され、1984年に彼と共同で制作したこの曲をリリースしました。『When I Hear Music』はクラブやラジオ局でヒットし、その後も『Lookout Weekend』『I Wanna Work It Out』などのヒット曲が続きました。

しかし、レコード会社が彼女の写真をアルバムカバーに載せず、Debbie Debとして別の人物を使ったため、彼女は大きなショックを受け、音楽業界から離れることになりました。その後、彼女は美容師として生計を立てましたが、1995年にアルバム『She’s Back』で音楽シーンに復帰しました。

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『Not Like Us』、驚異の記録と意外な成功

Kendrick LamarDrakeに向けて制作したシングル『Not Like Us』のカバーアートには、Drakeのカナダの邸宅の上空写真が使用されており、赤いマーカーが13個配置されています。これは性的犯罪者が居住していることを示唆しており、このカバーアートは多くの議論を呼びました。

さらに、この曲はリリース後、Spotifyで1日のストリーミング数が1280万回を記録し、これまでのヒップホップソングの最高記録であったLil BabyDrakeのシングル『Girls Want Girls』を超える快挙を達成しました。それにより、全米シングルチャートで1位を獲得し、Kendrick LamarにとってはFutureMetro Boominとのシングル『Like That』以来、4曲目の首位獲得となりました。批評家からは「史上最高のディストラック」といった高い評価を得ています。

『Not Like Us』のミュージックビデオは、Kendrick Lamar『HUMBLE.』『DNA.』などのMVも手掛けたDave Freeが共同で監督を務め、アメリカ独立記念日にYouTubeで公開されました。このMVには、Kendrick Lamarが所属していたレーベルTop Dawg EntertainmentのメンバーであるJay RockSchoolboy QAb-Soulなどがカメオ出演しています。

このMVはリリース翌朝までにYouTubeで1300万回以上の視聴を達成し、YouTubeでの『世界で人気のミュージックビデオトップ100』で1位を獲得するなど、大きな成功を収めました。

『Not Like Us』は様々な記録を塗り替え、これまで数々のヒットソングを生み出してきたプロデューサーMustardが手掛けました。意外にも、この作品でMustardは初めて全米チャートで首位を獲得しました。Mustardはこの成果に驚き、特にKendrick Lamarと共に曲を制作できたことに大変喜んでいるようです。

自分でも驚いているんだ。この曲がどれだけすごいかっていうのを。
Billboard Hot 100で1位になって、そのとき初めて、こんなにすごい曲だということが理解できた気がしたんだ。
「これは人生で1番大きな曲だ」って思ったね。
Kendrickと一緒に曲を作れたことが何よりもうれしかったよ。

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