Juice WRLD (ジュース・ワールド)は、イリノイ州シカゴ出身のラッパーで、シングル「Lucid Dreams」をはじめとする数々のヒット曲で知られていますが、2019年にわずか21歳で、薬物の過剰摂取によりこの世を去りました。
彼の死後、2020年には遺作アルバム「Legends Never Die」がリリースされ、全米チャートで1位を獲得し、続いて2021年には2枚目の遺作アルバム「Fighting Demons」が発売され、全米チャートで2位を記録しました。
そして今回、彼の「Lucid Dreams」のMVを手掛けたLyrical Lemonade (リリカル・レモネード)とCordae (コーデー)とコラボシングル「Doomsday」(2023)をリリースしました。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Lyrical Lemonade, Juice WRLD & Cordae – Doomsday (2023)
“Doomsday” 楽曲情報
リリース日
2023年6月23日
レーベル
Lyrical Lemonade
Def Jam Recordings
プロデューサー
Dr. Dre
Mel-Man
元ネタ・サンプリング
Eminem – Role Model (1999)
“Doomsday” 元ネタ・サンプリング情報
Eminem – Role Model (1999)
元ネタになったのは、ミシガン州デトロイト出身のラッパーEminem (エミネム)の「Role Model」 (1999)です。
この曲は、彼のメジャーデビューアルバム「The Slim Shady LP」(1999)に収録されており、アルバムはグラミー賞「最優秀ラップアルバム」を受賞し、リードシングルの「My Name Is」は「最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス」を受賞しました。
「My Name Is」の元ネタはこちら。
アルバムのセカンドシングルとなった「Role Model」は、名プロデューサーDr. Dreが手掛けており、Eminem自身も2000年に出版した「The Angry Blonde」という本でこの曲について語っています。
この曲を作ったとき、ただふざけていたんだ。 俺にとってはただのラップの曲だよ。 この曲に込めたメッセージは完全に皮肉なんだ。 はっきりさせたかったんだ、俺を見るとき、俺がクソみたいなロールモデルだとは思わないでくれって。 Dreと俺は彼の家のスタジオにいて、彼が先にトラックを作ってくれたんだ。 俺は前の晩からライムを始めてまだ終わっていなかったね。 そのトラックを聞いたとき「Dre、それに合うライムがあるんだ」と言って、ライムを完成させ、スタジオで曲を書き始めたんだ。 最初のバースを完成させ、2番目のヴァースをぶっつづけに書いて、それからフックを書いたよ。 そして、Mel-Manが「Don't you wanna grow up to be just like me?」というパートを思いつたんだ。 俺は「それはパーフェクトだ」と言ったよ。 だって、同じようなことを話していたからね。 マリファナを吸ったり、ドラッグを飲んだり、学校を中退したり、そんなことを。 だから彼がフックのそのパートを作って、俺が空白を埋めたんだ。 この曲はDreと一緒に仕事を始めたとき、最初に作った3曲のうちの1曲だったね。
Lyrical Lemonadeがフルアルバムをリリース予定
Juice WRLDとCordaeは、Juice WRLDが亡くなる前にEminemの楽曲をサンプリングして「Doomsday」のレコーディングを行ったっことが明らかになっており、この曲のMVでは、AI技術を駆使してJuice WRLDを再現しています。
また、Juice WRLDはMVの最後で、この作品のMVのアイデアについて言及しており、彼は次のように語っています。
この曲のビデオを作ろう。俺のアイデアを話すよ。 俺がXXLに出なかったのは知ってるだろ?でも君はXXLをやったんだ。 俺は、彼らがグループのフリースタイルをレコーディングするようなパロディのXXLフリースタイルをやりたいんだ。 でも、ラップしている全員をぶっ殺すんだ。 面白くて、グロテスクで、昔のEminemのビデオみたいなユーモアにしたいんだ。
さらに、この曲はLyrical Lemonadeのデビューアルバムのリードシングルのようで、Cole BennettはTwitterでこの情報を公開しており、今年中にはフルアルバムのリリースも期待されています。
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