2012年に発表したセカンドアルバム「Pink Friday: Roman Reloaded」でデビュー作に続いて全米チャート1位を獲得したNicki Minaj (ニッキー・ミナージュ)。
アルバムのリードシングル「Starships」(2012)は、15ヵ国のチャートでトップ5入りを果たし、これまでに全世界で720万枚を売り上げる大ヒットとなりました。
そんな彼女が、前述の「Starships」や「Super Bass」のようなダンスポップのサウンドから一転、ヒップホップをベースにした3枚目のアルバム「The Pinkprint」(2014)をリリース。
Lil Wayne、Drakeをフィーチャーした「Truffle Butter」など6枚のシングルがカットされ、アルバムは全米チャート2位を記録しています。
今回は、その中からリードシングル「Anaconda」(2014)をピックアップ。
この曲は、全米シングルチャートで自己最高位となる2位を記録し、MVは公開初日で1900万回再生を記録。
これは、時のYouTubeの24時間ストリーミング記録を更新し、2021年には女性ソロラップ曲のMVとして初めて10億回再生を達成しています。
ここでは、Nicki Minajの代表曲となったこの曲について解説します。
Nicki Minaj – Anaconda (2014)
楽曲情報
Nicki Minaj (ニッキー・ミナージュ)
出身地 :ニューヨーク、クイーンズ
生年月日:1982年12月8日
ジャンル:Hip Hop, R&B
レーベル
Cash Money Records
Young Money
Republic Records
プロデューサー
Da Internz
AnonXmous
Polow da Don
元ネタ・サンプリング
Sir Mix-a-Lot – Baby Got Back (1992)
Channel One – Technicolor (1986)
“Anaconda” 元ネタ・サンプリング
Sir Mix-a-Lot – Baby Got Back (1992)
元ネタになったのは、ワシントン州シアトル出身のラッパーSir Mix-a-Lotの「Baby Got Back」(1992)です。
この曲は、彼の3枚目のアルバム「Mack Daddy」(1992)に収録され、アルバムは全米チャート9位を記録。
シングルとしてリリースされたこの曲は、女性に関する率直で露骨な性的リリックと、女性のお尻に関する具体的な言及が一部の人々にとって不快であるとして、リリース当時物議を醸し、 MVはMTVによって一時的に禁止されるほどになりました。
これについてSir Mix-a-Lotは当時のインタビューで「ただ単にお尻が好きだと言っているわけではない」と明かしています。
この曲は、ただ単に大きなお尻が好きだと言っているのではないんだ。 ヴォーグ誌に載っているような豆粒のようなモデルのようになろうと自殺しそうな女性のことを歌っているんだよ。
そんな状況にも関わらず、この曲は全米チャートでは5週に渡って首位を獲得し、1992年にBoyz II Menの「End of the Road」に次いで2番目に売れた曲となり、グラミー賞の「最優秀ラップソロパフォーマンス賞」を受賞しています。
またSir Mix-a-Lotは、Nicki Minajが「Anaconda」でサンプリングしたことについて、Twitterで感想を述べています。
Nicki Minajのアナコンダを37回観た感想は一言。 DAMNNNNN!!!!!!!
Ok after watching @NICKIMINAJ Anaconda 37times I only have one word to sum up my feelings. DAMNNNNN!!!!!! #AnacondaVideoOnVevo
— Sir Mix-A-Lot (@therealmix) August 20, 2014
“Baby Got Back” 元ネタ・サンプリング
Channel One – Technicolor (1986)
さらに深堀りするとSir Mix-a-Lotの「Baby Got Back」は、ミシガン州デトロイト出身のプロデューサーChannel Oneの「Technicolor」(1986)をサンプリングしています。
この曲は、彼のレーベルMetroplexからシングルとしてリリースされました。
当時はChannel OneとModel 500の名前で作品を発表していましたが、後にAtkinsに改名してに変えて楽曲を発表しています。
終わりに
Nicki Minajは「Anaconda」を「セクシャルでありながら、遊び心のあるものにしたかった」と明かしています。
豊満な女性を受け入れるような曲を作りたかったの。 セクシャルでありながら、遊び心のあるものにしたかったわ。 そして、英語が分からなくてもメロディーに乗れるような、私が言っている下品なことが全く分からないような、そんなメロディーにしたかったの。 書き方は簡単だったわ。 メロディーを作って、あとは言葉にしていくだけ。 『Boy toy named Troy』って言ったときは、もう笑っちゃったよ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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