Pitbull (ピットブル)が2009年にリリースした4枚目のアルバム「Pitbull Starring in Rebelution」は、彼にとって初のメジャーレーベルからのリリースであり、自身のレーベルMr.305 Incからの初のリリースとなりました。
リードシングル「Krazy」(2008)は、映画「ワイルド・スピード4」のサントラに収録され、セカンドシングルの「I Know You Want Me (Calle Ocho)」は、2009年に最も視聴されたMVとなり、一躍全米中から注目を浴びる存在となりました。
今回は、このアルバムから3枚目のシングル「Hotel Room Service」(2009)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Pitbull – Hotel Room Service (2009)
“Hotel Room Service” 楽曲情報
レーベル
Polo Grounds Music
MR. 305 Inc
RCA Music Group
プロデューサー
Pitbull
Jim Jonsin
元ネタ・サンプリング
Nightcrawlers – Push The Feeling On (The Dub of Doom) (1992)
The Sugarhill Gang – Rapper’s Delight (1979)
“Hotel Room Service” 元ネタ・サンプリング①
Nightcrawlers – Push The Feeling On (The Dub of Doom) (1992)
元ネタになったのは、スコットランドの音楽グループNightcrawlers (ナイトクロウラーズ)の「Push The Feeling On (The Dub of Doom)」(1992)です。
当初はディスコとアシッドジャズの影響を受けて作られたこの曲は、シングルとしてリリースされ、UKチャートで86位を記録。
Nightcrawlers – Push The Feeling On
翌年にアメリカで発売されたこの曲の再発盤も同様の結果でマイナーヒットとなりましたが、B面に収録されたミシガン州デトロイト出身のDJ兼プロデューサーMarc Kinchenによるリミックスは、アメリカでのリリースの際に「Push the Feeling On (The Dub of Doom)」と改名されました。
このリミックスは、イギリスのアンダーグラウンドシーンでヒットし、約2年間ヘビーにプレイされ後、1994年にヨーロッパで同じリミックスがシングルとしてリリースされ、オリジナルよりも大きな成功を収め、UKチャートで22位、ユーロチャートホット100で76位を記録。
その後「Push the Feeling On (New MK Mixes For ’95)」と題した改訂リミックスがMarc Kincheにより「MK Dub Revisited Edit」としてリリースされ、UKダンスチャート1位を獲得したほか、世界各国のチャートでも上位に入る成功を収めました。
また、彼らはオリジナルバージョンをカタログから削除し、このリミックスをデビューアルバム「Lets Push It」(1995)のファーストシングルとし、ジャンルをハウスミュージックに変更しています。
“Hotel Room Service” 元ネタ・サンプリング②
The Sugarhill Gang – Rapper’s Delight (1979)
Pitbullの「Hotel Room Service」は、ニュージャージー州イングルウッドで結成されたラップグループThe Sugarhill Gang (シュガーヒル・ギャング)の「Rapper’s Delight」(1979)もサンプリングしています。
彼らのデビューアルバム「Sugarhill Gang」(1980)に収録され、アルバムのリードシングルのこの曲は、ラップのシングルとしては初めて全米シングルチャートでトップ40にランクイン。
また、カナダチャートで1位、UKチャートで3位と世界的にヒットし、後にローリングストーン誌の「史上最も偉大な500曲」で251位に選出されています。
さらに、現在までに250曲以上でサンプリングされており、ラップカルチャーを語る上で欠かせない重要な曲として知られています。
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