1994年、Ice CubeとWCはMack 10 (マック・10)のデビューアルバム「 Mack 10」にゲスト参加し「Westside Slaughterhouse」で共演。
その数ヵ月後に3人は再び手を組み、今度はWCのアルバム「Curb Servin’」(1995)から「West Up!」で再共演しました。
これがきっかけとなり、1996年にWestside Connection (ウェストサイド・コネクション)として1996年にアルバム「Bow Down」をリリース。
全米チャート2位を記録し、同タイトルのシングルは全米ラップチャート1位を獲得しました。
西海岸を代表するグループになった彼らは、2003年にセカンドアルバム「Terrorist Threats」をドロップ。
R&B/Hip Hopアルバムチャート3位を記録し、RIAAからゴールド認定されています。
今回はこのアルバムからNate Dogg (ネイト・ドッグ)をフィーチャーした「Gangsta Nation」をピックアップ。
ここでは、アルバムからの唯一のシングル曲でもあるこの曲の元ネタについて解説します。
Westside Connection feat. Nate Dogg – Gangsta Nation (2003)
楽曲情報
Westside Connection (ウェストサイド・コネクション)
結成 :1995年
ジャンル:Hip Hop
メンバー:Mack 10, Ice Cube, WC
Nate Dogg (ネイト・ドッグ)
出身地 :カリフォルニア州ロングビーチ
生年月日:1969年8月19日
ジャンル:R&B, Hip Hop
所属 :213
没年月日:2011年3月15日 (41歳)
レーベル
Hoo-Bangin’
Capitol
EMI
プロデューサー
FredWreck
元ネタ・サンプリング
Graham Nash – Chicago (1971)
“Gangsta Nation” 元ネタ・サンプリング
Graham Nash – Chicago (1971)
元ネタになったのは、イギリス出身のシンガーソングライターGraham Nash (グラハム・ナッシュ)の「Chicago」(1971)です。
この曲は、彼のデビューアルバム「Songs for Beginners」に収録され、アルバムは全米チャート15位を記録。
この「Chicago」という曲は、1968年にイリノイ州シカゴで行われた民主党全国大会での反ベトナム戦争抗議デモと、その抗議デモのリーダーたちが後に暴動扇動の陰謀で起訴された「シカゴ8」裁判にちなんだものです。
この事件は、反ベトナム戦争と反文化のデモに関連して、暴動を扇動する意図を持って共謀し州境を越えたという罪で、アメリカ連邦政府によって起訴されたもので、Graham Nashこの事件に憤慨し、この曲の最初をこのように書き下ろしています。
「So your brother's bound and gagged, and they've chained him to a chair」 君の兄弟は縛られて猿轡をされ、椅子に繋がれたよ
これは、唯一のアフリカ系アメリカ人被告であるブラックパンサー指導者Bobby Seale氏のことで、彼は裁判官の判決に抗議して暴言を繰り返し、法廷で猿轡と椅子に鎖でつながれていたことを歌にしています。
その後この事件は、Bobby Sealeに対する裁判が無効審理とされた後「シカゴ7」になっています。
終わりに
2005年、Ice Cube (アイス・キューブ)との確執からMack 10らが脱退し、Westside Connectionは解散。
しかし、Ice CubeとWCはその後もコラボレーションを続け、互いのアルバムに参加しています。
この機会に元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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