Bhad Bhabie (バッド・ベイビー)は、アメリカ・フロリダ州出身のラッパーで、2016年にトーク番組『Dr. Phil』に出演したことをきっかけに、一躍注目を集めました。番組内で発した「Catch me outside, how ‘bout that?(外で勝負しようぜ)」というフレーズがインターネットミームとして爆発的に広まり、彼女の名が広く知られるようになります。
その人気を活かし、2017年には音楽活動をスタート。デビューシングル「These Heaux」は全米シングルチャートで77位を記録し、彼女は最年少の女性ラッパーとしてチャート入りを果たしました。その後、Atlantic Recordsと契約し、「Hi Bich」や、Lil Yachtyをフィーチャーした「Gucci Flip Flops」などのヒットを生み出します。さらに、2021年にはOnlyFansでわずか6時間で100万ドル(約1.5億円)を稼ぎ出し、プラットフォーム内で最も高収益を得るクリエイターの1人となりました。
そして2025年2月、彼女は新たなシングル「Ms. Whitman」をリリース。この楽曲は、多くのメディアやオーディエンスから注目を浴びています。
Bhad Bhabie – Ms. Whitman (2025)
『Ms. Whitman』とは?

2025年2月25日にリリースされた「Ms. Whitman」は、Bhad BhabieとAlabama Barker(アラバマ・バーカー)との確執が背景にあります。事の発端は2024年12月、Bhad Bhabieがアラバマ・バーカーに対し、自身の恋人Le Vaughnを奪おうとしたと非難したことでした。
Bhad Bhabieは、アラバマが自分の恋人にアプローチしたと感じ、SNS上で激しいやり取りが繰り広げられました。そして、この騒動の中で彼女は自身の立場を強調するため、ディストラック「Ms. Whitman」を制作するに至ります。
楽曲の内容とリリック
「Ms. Whitman」は、Bhad Bhabieがアラバマ・バーカーに対して痛烈な批判を展開する楽曲です。歌詞の中には、アラバマ・バーカーのライフスタイルや家族に関する辛辣なコメントが含まれています。特に、彼女の父親であるTravis Barker(トラヴィス・バーカー)や義母であるKourtney Kardashian(コートニー・カーダシアン)に対する軽蔑的な表現が目立ちます。
さらに、楽曲のタイトル「Ms. Whitman」は、1993年の映画『トゥルー・ロマンス』の登場人物、アラバマ・ウィットマンからインスパイアされています。このキャラクターにちなんで、トラヴィス・バーカーが娘に「アラバマ」と名付けたことが由来です。
ミュージックビデオでは、トラヴィス・バーカーに似た人物が登場し、Bhad Bhabieが挑発的なダンスを披露するシーンも含まれています。これにより、彼女はさらに挑発的な姿勢を示し、アラバマとその家族へのメッセージを強く打ち出しました。
『Ms. Whitman』元ネタ・サンプリング情報
「Ms. Whitman」のサンプリング元となったのは、Kanye West (カニエ・ウェスト)とTy Dolla $ign (タイ・ダラー・サイン)によるヒップホップデュオ¥$の「CARNIVAL」(2024年)です。
¥$, Kanye West & Ty Dolla $ign – CARNIVAL
この楽曲は、2024年リリースのアルバム『Vultures 1』からのシングルで、ヒップホップにパンクロック要素を取り入れた独特のスタイルが特徴です。トラップビートにEDMの要素を融合し、刺激的な歌詞を展開。Kanye Westのバースには、R・ケリーやBill Cosbyへの言及が含まれており、その内容が大きな物議を醸しました。また、テイラー・スウィフトの名前を出したことでも論争を呼び、彼女のファンから批判を受けました。
商業的には成功を収め、全米シングルチャートで1位を獲得。これにより、Kanye Westは3つの異なる年代で首位を獲得した唯一のラッパーとなりました。さらに、ギリシャやアイスランドなどでもチャート1位を記録し、TikTokでも人気を博しました。
当初、この楽曲はBlack Sabbath(ブラック・サバス)の「Iron Man」のライブ音源をサンプリングしていましたが、Ozzy Osbourne(オジー・オズボーン)が許可を拒否したため、「Hell of a Life」に差し替えられました。ミュージックビデオでは、ウルトラスをCGで再現し、暴力的なスタイルが高く評価されています。
Kanye West自身は、Bhad Bhabieの「Ms. Whitman」について「このビーフには関与しておらず、サンプルの使用のみを許可した」とInstagramでコメントし、楽曲制作には直接関わっていないことを明言しました。
SNSとセレブ界の反応
「Ms. Whitman」のリリース後、SNSでは賛否が分かれる議論が巻き起こりました。
ソフィア・コッポラの娘であるRomy Mars(ロミー・マーズ)はTikTokでアラバマ・バーカーの「Get Ready With Me」動画に言及し、話題に。一方、アラバマ本人もこの楽曲に反応し、Instagramストーリーで反撃のコメントを投稿しました。これにより、両者の確執はさらに激化しているようです。
おわりに
Bhad Bhabieの「Ms. Whitman」は、彼女のキャリアの中でも特に挑発的なディストラックとなり、SNSやメディアで大きな注目を集めています。今後、アラバマ・バーカーやその他の関係者がどのような反応を見せるのか、さらなる展開が気になるところです。
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