DJ Premier (DJプレミア)は、1980年代中期にGuruと共にラップデュオGang Starrを結成し、1998年の「Moment of Truth」がR&B/Hip Hopチャート1位を獲得するなど、現在までに7枚のアルバムをリリースしています。
また、プロデューサーとしてもニューヨークのヒップホップシーンの発展に大きく貢献し、Nasの「N.Y. State of Mind」(1994)やThe Notorious B.I.G.の「Ten Crack Commandments」(1997)などのプロデュースでも知られています。
そんな彼が、2019年に発表したGang Starrのアルバム「One of the Best Yet」以来の作品となるEP「Hip Hop 50, Vol. 1」(2022)をドロップ。
このEPには、Nas、Lil Wayne、Slick Rick、Joey Bada$$などがゲスト参加して全5曲収録。
今回はこの作品から、Remy Ma (レミー・マー)とRapsody (ラプソディー)をゲストに迎えた「Remy Rap」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタとEPについて解説します。
DJ Premier feat. Remy Ma & Rapsody – Remy Rap (2022)
楽曲情報
DJ Premier (DJプレミア)
出身地 :ニューヨーク
生年月日:1966年3月21日
ジャンル:Hip Hop
Remy Ma (レミー・マー)
出身地 :ニューヨーク、ブロンクス
生年月日:1980年5月30日
ジャンル:Hip Hop
Rapsody (ラプソディー)
出身地 :ノースカロライナ州スノーヒル
生年月日:1983年1月21日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Mass Appeal
プロデューサー
DJ Premier
元ネタ・サンプリング
The Fatback Band – Backstrokin’ (1980)
“Remy Rap” 元ネタ・サンプリング
The Fatback Band – Backstrokin’ (1980)
元ネタになったのは、ファンクバンドThe Fatback Band (ザ・ファットバック・バンド)の「Backstrokin’」(1980)です。
Perception Recordsと契約した彼らは、その夏に発表したシングル「Street Dance」でヒットさせ、1977年にFatbackに改名してシングル「I Like Girls」(1978)をリリースし、R&Bチャートで初のトップ10入りを果たしました。
1980年に発表したアルバム「Hot Box」は、R&Bチャートで7位を記録し、彼らのキャリアで最高位となり、このアルバムに収録された「Backstrokin’」はシングル化され、R&Bチャート3位を記録し、彼らの代表曲のひとつとなりました。
また、1999年にDr. Dreが「Let’s Get High」でサンプリングしたほか、その他にも40曲でサンプリングされています。
Dr. Dre feat. Hittman, Kurupt & Ms. Roq – Let’s Get High (1999)
ヒップホップの生誕50周年を記念してリリースされる
DJ PremierのEP「Hip Hop 50, Vol. 1」は、Gang Starrの曲「Mass Appeal」(1994)から由来して名付けられたヒップホップメディアMass Appealからリリースされました。
Mass Appealの「Hip Hop 50」は、2023年8月のヒップホップ50周年まで、今後10枚のEPをリリースする予定でSwizz Beatz、Mustard、The-Dream、Mike WiLL Made-It、No I.D.、Hit-Boy、Take A Daytrip、Tainyなどのプロデューサーが指揮を執るようで、今後の展開に期待が寄せられています。
また、DJ Premierは今作について「Hip Hop 50に参加することは、この文化を守るためにさらなる祝福となる」と明かし、制作までのプロセスを明かしています。
俺はMass Appealからアプローチを受けて、来年の8月11日にある(ヒップホップの)誕生日を祝うためで、10枚のプロデューサーEPを作りたいと言われたんだ。 最後の1枚が出るときはヒップホップの誕生日になり、50年になるんだ。 だから、このアイデアは気に入ったんだ。 それにNasはMass Appealの一員として関わっているし、Nasのためにも参加したかったんだ。 俺たちは長い間友情で結ばれているからね。 5曲ずつで、俺に始めてほしいと説明されたとき、クールだと思ったね。 2番目、3番目、4番目、5番目にリリースしたいとは思わない。 最初の雰囲気を作りたいんだ。だから、すでに考えていたよ。 ドープなブーム・バップにしたいんだ。 それが俺の得意とするところであり、俺が作りたいものなんだ。 だから、それに相応しいアーティストを集めることが重要なんだ。
豪華プロデューサー陣がクレジットされるMass Appealの「Hip Hop 50」シリーズから今後も目が離せませんね。
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