ニューヨーク、ブルックリンで生まれ育ったThe Notorious B.I.G. (ノトーリアス・B.I.G.)は、Diddyにその才能を見出され、1994年にデビューアルバム「Ready to Die」(1994)をリリース。
「Juicy」や「Big Poppa」といったクラシックを残すも、1997年に東西抗争に巻き込まれ、24歳の若さでこの世を去りました。
死後発表されたセカンドアルバム「Life After Death」(1997)は、全米チャート1位を獲得し、後にローリングストーン誌やビルボード誌から「史上最高のラッパー」と賞賛され、90年代のニューヨークヒップホップの発展に大きく貢献しました。
その彼が、5月21日に50歳の誕生日を記念してシングル「G.O.A.T.」(2022)をリリース。
この曲は、数々のヒットソングに起用されているTy Dolla $ign (タイ・ダラー・サイン)と、ナイジェリアの新鋭R&BシンガーBella Aluboを迎えた、アフロビート調の楽曲に仕上がりました。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
The Notorious B.I.G. feat. Ty Dolla $ign & Bella Alubo – G.O.A.T. (2022)
楽曲情報
The Notorious B.I.G. (ノトーリアス・B.I.G.)
出身地 :ニューヨーク、ブルックリン
生年月日:1972年5月21日
没年月日:1997年3月9日 (24歳)
ジャンル:Hip Hop
Ty Dolla $ign (タイ・ダラー・サイン)
出身地 :カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1982年4月13日
ジャンル:R&B, Hip Hop
Bella Alubo
出身地 :ナイジェリア
生年月日:1993年8月9日
ジャンル:AfroPop
レーベル
Atlantic Records
プロデューサー
Kayo
Elliot Osagie
元ネタ・サンプリング
The Notorious B.I.G. feat. Jay-Z & Angela Winbush – I Love the Dough (1997)
René & Angela – I Love You More (1981)
“G.O.A.T.” 元ネタ・サンプリング
The Notorious B.I.G. feat. Jay-Z & Angela Winbush – I Love the Dough (1997)
元ネタになったのは、The Notorious B.I.G.の「I Love the Dough」(1997)です。
この曲は、前述のアルバム「Life After Death」(1997)に収録されており、アルバムはグラミー賞「最優秀ラップアルバム」にノミネートされています。
また収録曲の「Hypnotize」「Mo Money Mo Problems」もグラミー賞にノミネートされ、ローリングストーン誌の「史上最高のアルバム500枚」で179位に選出されています。
「Mo Money Mo Problems」の記事はこちら。
“I Love the Dough” 元ネタ・サンプリング
René & Angela – I Love You More (1981)
さらに掘り下げるとThe Notorious B.I.G.の「I Love the Dough」は、René & Angela (レネ&アンジェラ)の「I Love You More」(1981)をサンプリングしています。
1977年にプロデューサーRené Mooreと、シンガーのAngela Winbushによって結成されたこのデュオは、1980年にデビューアルバム「René & Angela」をリリース。
翌年にはセカンドアルバム「Wall to Wall」(1981)をリリースし、このアルバムに収録された「I Love You More」はR&Bチャート15位を記録。
前述のThe Notorious B.I.G.の「I Love the Dough」は、この曲をサンプリングしたことでAngela Winbushが楽曲に参加しています。
終わりに
The Notorious B.I.G.の遺作シングルは、彼の遺族が2021年4月にWMEのLegends Groupと契約し、ビギーの遺産を管理することになった後にリリースに至りました。
今作について母親のVoletta Wallaceは、次のように明かしています。
息子の音楽が、ファンや今の若い世代の人たちに彼の芸術を受け入れてもらうためにリメイクされたのを目撃するのは素晴らしいことです。 この曲、G.O.A.T. の為に、声と音楽の完璧なブレンドをまとめるのに携わった、関係者の努力に感謝しています。
またこの曲にゲスト参加したTy Dolla $ignは、彼の誕生日を祝う一方で、共演できたことは子供の頃の夢が叶ったと明かしています。
Biggieの曲に参加することは、子供の頃からの夢だったんだ。 曲のタイトルは彼にふさわしい…GOATだ。 ハッピーバースデー、Big。 みんな会いたがっているよ!
この機会に、元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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